熊本県議会 > 2021-03-11 >
03月11日-08号

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  1. 熊本県議会 2021-03-11
    03月11日-08号


    取得元: 熊本県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-26
    令和3年 2月 定例会               第 8 号              (3月11日)  令和3年   熊本県議会2月定例会会議録     第8号令和3年3月11日(木曜日)  ―――――――――――――――――   議事日程 第8号  令和3年3月11日(木曜日)午前10時開議 第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) 第2 議案等に対する質疑(第44号から第96号まで及び第99号) 第3 知事提出議案委員会付託(第44号から第96号まで及び第99号) 第4 教育警察常任委員長報告 質疑 討論 議決 第5 休会の件  ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問(議案に対する質疑並びに  県の一般事務について) 日程第2 議案等に対する質疑(第44号から第96号まで及び第99号) 日程第3 知事提出議案委員会付託(第44号から第96号まで及び第99号) 日程第4 教育警察常任委員長報告 質疑 討論 議決 日程第5 休会の件    ――――――○――――――出席議員氏名(48人)            前 田 敬 介 君            城 戸   淳 君            本 田 雄 三 君            南 部 隼 平 君            坂 梨 剛 昭 君            荒 川 知 章 君            西 村 尚 武 君            島 田   稔 君            池 永 幸 生 君            松 野 明 美 さん            山 本 伸 裕 君            岩 田 智 子 君            竹 﨑 和 虎 君            吉 田 孝 平 君            中 村 亮 彦 君            大 平 雄 一 君            髙 島 和 男 君            末 松 直 洋 君            松 村 秀 逸 君            岩 本 浩 治 君            西 山 宗 孝 君            河 津 修 司 君            前 田 憲 秀 君            濱 田 大 造 君            磯 田   毅 君            西   聖 一 君            楠 本 千 秋 君            橋 口 海 平 君            緒 方 勇 二 君            増 永 慎一郎 君            髙 木 健 次 君            髙 野 洋 介 君            内 野 幸 喜 君            山 口   裕 君            渕 上 陽 一 君            城 下 広 作 君            鎌 田   聡 君            田 代 国 広 君            坂 田 孝 志 君            溝 口 幸 治 君            小早川 宗 弘 君            池 田 和 貴 君            井 手 順 雄 君            吉 永 和 世 君            松 田 三 郎 君            藤 川 隆 夫 君            岩 下 栄 一 君            前 川   收 君欠席議員氏名(なし)  ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名     知事     蒲 島 郁 夫 君     副知事    田 嶋   徹 君     副知事    木 村   敬 君     知事公室長  白 石 伸 一 君     総務部長   山 本 倫 彦 君     企画振興部長 高 橋 太 朗 君     理    事 水 谷 孝 司 君     健康福祉部長 渡 辺 克 淑 君     環境生活部長 藤 本   聡 君     商工労働部長 藤 井 一 恵 君     観光戦略部長 寺 野 愼 吾 君     農林水産部長 竹 内 信 義 君     土木部長   上 野 晋 也 君     会計管理者  本 田 充 郎 君     企業局長   藤 本 正 浩 君     病院事業            吉 田 勝 也 君     管理者     教育長    古 閑 陽 一 君     警察本部長  岸 田 憲 夫 君     人事委員会            青 木 政 俊 君     事務局長     監査委員   福 島 誠 治 君  ―――――――――――――――――事務局職員出席者     事務局長   吉 永 明 彦     事務局次長            横 尾 徹 也     兼総務課長     議事課長   村 田 竜 二     審議員兼            富 田 博 英     議事課長補佐    ――――――○――――――  午前10時 東日本大震災発災10年の節目に当たり犠牲者に対する黙祷 ○副議長(渕上陽一君) 開会に先立ち、東日本大震災発災10年の節目に当たり、犠牲となられました方々に対しまして、哀悼の意を表するため、黙祷を行います。 御起立願います。  〔起立〕 ○副議長(渕上陽一君) 黙祷。  〔黙祷〕 ○副議長(渕上陽一君) 黙祷を終わります。 御着席願います。  〔着席〕    ――――――○――――――  午前10時1分開議 ○副議長(渕上陽一君) これより本日の会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第1 一般質問 ○副議長(渕上陽一君) 日程に従いまして、日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。 池永幸生君。  〔池永幸生君登壇〕(拍手) ◆(池永幸生君) おはようございます。自由民主党・合志市選出の池永幸生でございます。 一般質問最終日となりました。長きにわたり、先生方にはお疲れの様子ですが、いましばらくのお付き合いをお願いいたします。 5年前に熊本を襲った忘れることができない地震、いまだ完全復興には道半ばであります。また、今から10年前の今日起こった東日本大震災、あの津波に遭われた恐怖は、いまだ記憶に残るものでした。復興が進んでいるとはいえ、心に残る傷痕は癒えないものと思います。そして、世界を震撼させている新型コロナウイルス、一日も早いワクチンの供給、そして終息が待たれるものです。健康面でも、観光面でも、経済面でも、大きな痛手を受けています。 また、昨年7月には、県北部、特に南部を襲った豪雨が、多くの人の命を奪い、多くの家屋、田畑に甚大な被害を与えました。この影響は、修復するのに多年を費やすことになると思います。 知事は、人命尊重の観点から、流水型ダム等の登用を発表されました。より早い完成を目指し、安心で暮らせる日、安全で暮らせる地域が戻るよう、私個人としても願うものです。 私の住む地からは、ただ心配しながら報道を知る限りでした。直後に被災地を訪れ、ボランティア活動を行いましたが、その被害の大きさに茫然とするものでした。 遅れましたが、亡くなられた方々に心から哀悼の意をお伝えするとともに、被害に遭われた方々の一日も早い復興を願うものです。 これまで経験したことのないような気象状況の報道が、ここ数年繰り返し聞かれます。災害に強い熊本、災害から立ち直り、新しい社会をつくる熊本、そしてこれまで言われてきた自助努力、公助の実現を目指せる熊本をつくるべきだと考えます。 様々な地域の行事、伝統を続けてきた学校行事などがさま変わりし、寂しい限りです。地元の方々との意見を交わす場、触れ合う場すらないことが悔やまれます。 それでは、質問に入らせてもらいます。 商工会連合会新型コロナウイルス感染症影響調査による小規模事業者の現状と支援策について。 私が会長を務めております合志市商工会を含む県下49商工会から成る熊本県商工会連合会では、新型コロナウイルス感染症小規模事業者の経営に影響を及ぼし始めた昨年、令和2年3月末から2か月ごとに、会員事業者の売上高等の調査、分析を開始して1年になります。 これまでの調査結果は、国、県、県議会等にその都度報告され、各種支援策の創設や充実につながっています。 例えば、1年前にコロナ禍が始まった時期は、商工会の現場では、年度末の確定申告等の通常業務に加えて、不安を抱えた事業者からの資金繰りや新しい給付金、補助金等の支援制度に対する相談が殺到し、数少ない人員で窓口対応に追われていました。 このような現場の状況を知事に報告しましたところ、早速、中小企業診断士社会保険労務士などの専門家を商工会の相談会に派遣する事業を予算化いただき、お世話になりました。 先行きに大きな不安を抱えていた事業者にとっては、専門家や商工会経営指導員に話を聞いてもらうだけでも気が楽になった、希望が持てたとの感謝の声が多く寄せられました。 私の地元の商工会においても、県連合会の相談事業に加えて、合志市役所と連携して、定期的に経営の悩み相談室を行っており、事業者に寄り添った支援体制が取れていると思います。 その中で、商工会連合会より、1月末の第6回影響調査の結果が2月中旬に公表されました。 この影響調査では、県下49商工会、10社平均で、合計500社近くの飲食、宿泊、小売、建設等の幅広い業種の中から、できるだけ同じ事業者を追跡調査しているとのことであり、この調査から得られたデータや事業者の生の声は、全国的にも大変貴重なものではないかと思っております。 これまでの調査では、全体の売上高は、全国で緊急事態宣言が出されていた頃の昨年5月末を底に、11月末調査時点までは回復傾向が続いておりました。これは、国、県、市町村、金融機関の給付金、助成金、補助金、資金融資等、様々な支援策により事業の継続ができていたことに加えて、国のGoToトラベルや県の宿泊キャンペーン、市町村によるプレミアム商品券の発行など、需要喚起策が功を奏した結果であると考えられます。 最新の調査時点の1月末は、第3波とも言われる感染が年末年始にかけて爆発的に拡大し、GoToトラベルが全国一斉に停止され、本県でも、1月13日に県独自の緊急事態宣言が出されており、飲食店の営業時間短縮や不要不急の外出自粛の要請があっているという厳しい状況でした。 今回の調査結果の主なポイントでは、1つ目に、売上高が対前年同月比50%以上減少した事業者の割合が、11月末まで回復傾向にあったが、1月末では一転して19ポイント低下し、全体の約3分の1の34%になったこと、2つ目に、業種別の対前年比50%以上減の割合では、宿泊業で82%、飲食業が61%と大きな影響を受けたこと、3つ目に、地域別の対前年比50%以上減の割合では、宿泊・飲食業が多い観光地の阿蘇地域で56%、天草地域で47%と影響が大きかったこと、4つ目に、現在のような厳しい状況が続けば、1年後には廃業予定と回答した事業者割合が12%と、これまでになく高くなっており、将来見通しが立たない状況が続けば、今後の廃業の増加が懸念されること、そして5つ目に、事業者が今後国に期待している支援策としては、持続化給付金の再交付が最も多く、県に対しては、事業継続支援金業態転換支援補助金に対する期待が高くなっている状況にあることが挙げられます。 売上動向の原因は多岐にわたると思いますが、売上げ減少の具体的理由は、県民に対する外出自粛要請が出されたことで客数が減少し、そのために売上げが下がった、観光客減による売上げの減少、県をまたいだ自粛による営業活動の制限で大幅な売上げの減少、また、各団体によるイベントが中止になったなどであり、売上げに非常に影響を与えました。 また、この調査では、商工会に会員から以下のようなありがたい言葉もいただいております。あらゆることを商工会に相談できています、その際、親身になってもらい、会員であることを心よりよかったと思います、国、県の補助があり、事業を続けられています、店内飲食にこだわらず、こちらもコロナに合わせた形態に進化しないといけないと思います、国の制度などを実際に利用する場合に、詳細の確認や申請方法などを商工会に相談できました、持続化補助金資料の作成など、商工会の方にはいつも丁寧に対応していただき、感謝しています、商工会の支援は、高齢の経営者には大変助かっています、要望として、経営者は83歳になり、次男49歳に事業継承を行ったが、経営革新、事業承継補助金などの相談、指導をお願いしたい、年齢が70歳を超え、事業継承の相談をお願いしたいなどが挙がっています。 そこで質問です。 以上のような商工会連合会が行っている独自の影響調査の結果について、県はどのように受け止めておられるのか。そして、この調査結果を踏まえた今後の小規模事業者の支援方針、さらには小規模事業者支援の最前線に立っている商工会、商工会議所の組織やマンパワーの在り方について、県の見解を商工労働部長にお尋ねいたします。  〔商工労働部長藤井一恵君登壇〕 ◎商工労働部長(藤井一恵君) 熊本県商工会連合会の独自調査は、議員御紹介のとおり、事業者の方々の現状を知る貴重な情報であり、新型コロナウイルス影響下における県の取組を検討していく上で、大変参考になるものです。 県では、これまで、この調査結果や商工団体の御意見などを踏まえ、感染防止対策とともに、県経済への影響の最小化、事業者の事業継続、雇用確保に向けて、国の経済対策も最大限に活用しながら、様々な支援策を講じてまいりました。 県民、事業者の皆様の御協力により、新型コロナウイルスの感染者の発生は抑えられていますが、今後、第4波の発生も懸念されます。 県としては、第3波の経験も踏まえ、徹底した感染拡大防止の取組を進めるとともに、新型コロナウイルスの影響により厳しい状況にあります事業者の方々への支援、さらにはポストコロナを見据えた経済活動への支援が必要と考えております。 そのため、感染防止強化に係る補助金とともに、飲食店の時短営業などにより影響を受けた幅広い業種の事業者への一時金や新しい生活様式に向けた業態転換等補助金など、新たなパッケージ支援を2月補正予算で事業化したところです。 国においても、小規模事業者を対象とする持続化補助金も拡充されております。県では、この制度の活用も含め、事業者の方々の事業継続と再出発を応援してまいります。 次に、商工会、商工会議所の組織とマンパワーの在り方についてです。 商工会等による小規模事業者の支援を定める小規模事業者支援法が一昨年に改正され、市町村も含め、地域の関係機関のより一層の連携により、地域ぐるみで事業者の支援ができるよう強化されました。 県では、熊本地震からの復興の加速化や事業承継の推進などを目的として、昨年度から今年度にかけて、13名の特任経営指導員を追加で配置させていただいております。 この特任経営指導員には、これらの課題に加えて、新型コロナウイルス豪雨災害対策にも積極的に対応していただいております。 また、小規模事業者等の様々な経営相談などが急増する中、商工団体の相談窓口体制強化のため、国に先駆けて、中小企業診断士等の専門家を活用した支援を行いました。来年度も引き続きこのような取組が行えるよう、今定例会に関係予算を提案させていただいております。 県としては、商工会、商工会議所などの関係団体をはじめ、地域のあらゆる力を結集し、地域の小規模事業者の方々の支援ができるよう、しっかりと取り組んでまいります。  〔池永幸生君登壇〕 ◆(池永幸生君) 質問について御答弁いただきました。 商工会連合会の組織でもう1つ紹介しておきたいのが、青年部、女性部、特任経営指導員の活動状況です。 商工会連合会青年部は、昨年秋に、3,000人規模の全国大会熊本開催に向けて準備を進めておりました。残念ながら、新型コロナウイルス感染症の影響で中止になりました。しかしながら、青年部は、諦めずに、熊本地震、コロナ禍、豪雨災害の三重苦から立ち直った熊本の姿を見てもらいたいとの思いで、今年、令和3年の開催、万が一今年も難しいようであれば、令和4年の開催に立候補しております。実現すれば、観光や宿泊、飲食等で、県全体に大きな経済効果が期待できますので、ぜひとも県の支援をお願いしたいと思います。 また、昨年7月の豪雨災害では、コロナの影響で他県からの災害ボランティア活動ができない中、青年部には建設業の部員も多いことから、トラックや重機とともに、延べ1,000人を超える青年部員が、芦北町や球磨村といった商工会のある地域だけではなく、被害が大きかった人吉市にも駆けつけて、泥出しや片づけ作業といった支援活動に努めました。 女性部も、本来であれば被災地で得意の炊き出し支援を行うところですが、これもコロナ禍でできなかったため、現地で活動する青年部員の炊き出しで後方支援を行いました。 このように、青年部、女性部のパワーや絆が、地域の防災やコミュニティーを支えていることが改めて証明されました。青年部、女性部が、各地域において今後も持続的に活動できるよう、支援の拡充を県にお願いしたいと思います。 また、県の特段の御配慮により、熊本地震からの復旧、復興と事業承継の2つの課題に対応するため、商工会連合会に11人、熊本商工会議所と八代商工会議所にそれぞれ1名、合わせて13名の特任経営指導員が配置されたとありました。このことにつきましては、改めて感謝申し上げます。 このような中、今年度は、新型コロナウイルス感染症対策豪雨災害対策という新たな政策課題が生じましたが、増員された特任経営指導員が機動的、重点的に活動したおかげで、現場が大きく混乱することもなく、コロナ禍で他県の商工会からの応援受入れも困難な中でも、何とか乗り切ることができております。 このような政策課題に迅速に対応できている体制は、全国でも例がないと聞いております。特任経営指導員の継続的な配置と活動支援の充実をお願いして、要望といたします。 最後に、2月17日に、商工会議所連合会商工会連合会飲食業生活衛生同業組合から知事に要望書が提出されています。 今までに経験したことがないコロナ禍でした。中小企業、小規模業者にとって、打撃は計り知れないものがありました。答弁とともに、要望書の意を酌まれて取り組まれるよう切にお願いいたします。 続いて、セミコンテクノパーク周辺の道路整備について。 新型コロナウイルス感染症の影響により、経済活動は停滞し、県内の商工事業者は、飲食業や建設業、サービス業をはじめ、様々な業態の事業者が経営難に陥っています。今後、ワクチンの接種促進により、少しずつでも人や物の動きが取り戻されることを期待するものですが、完全にコロナ禍前の状態に戻ることは難しく、感染症と向き合いながら営まれていくものと思慮されます。 県では、感染拡大を防ぐための緊急事態宣言も発令され、協力した事業者を支援、感染拡大防止に対する効果を高めたことは評価できると思います。 一方で、今回の新型コロナウイルス感染症の蔓延は、働き方が見直された機会でもありました。テレワークやオンライン会議など、その場に行かなくても意思疎通できる形態として、新たな日常が取り入れられています。 このことは、半導体産業分野の活況につながっており、自動車産業へのさらなる需要増加やコロナ後のリモート通信環境需要増にも結びつきます。半導体産業は、本県の重要な基幹産業であり、今後もその需要拡大が大いに期待されるところです。 合志、菊陽に所在するセミコンテクノパークは、今、熊本の産業の中心ではなかろうかと思われます。また、生産高でも雇用の面でも、県のイメージアップに寄与しているものと思います。 今、半導体産業は好況が続いています。企業が大きく飛躍することが、県の経済の飛躍にもつながるものと思います。また、半導体分野は、裾野が広く、関連企業への影響も見込まれます。 こうした需要拡大の状況に対応して、企業が設備投資を進めていく上で、立地企業の周辺環境が大事であり、特にインフラとしてのアクセス性や流通環境の円滑化が、企業にとって最重要課題ではないでしょうか。 半導体産業が集積する菊池地域においては、主要幹線道路の慢性的な渋滞が続いており、流通及び通勤環境の阻害要因になっているため、地方議会でもこの渋滞対策が度々取り上げられ、陳情もなされてきました。特に、国道387号や県道大津西合志線沿線には、中核企業が集積立地し、製造出荷額は約1兆円で、県全体の約4割を占めています。 こうした慢性的な道路渋滞が放置されると、最悪な場合、熊本を離れ、ほかの地域に移転するケースも想定されます。そういう意味で、単なる道路の渋滞解消ではなく、アフターコロナの時代に即した企業の誘致を進める上でも、また、県経済の浮揚のためにも、県道大津西合志線はもちろんのこと、特に国道387号の渋滞対策が必要だと考えます。立地企業の設備投資意欲を失うことなく経済活動を継続してもらうため、早急な周辺インフラ整備が必要だと思います。 そこで、土木部長に質問いたします。 セミコンテクノパーク周辺の道路整備について、県のお考えをお聞かせください。  〔土木部長上野晋也君登壇〕 ◎土木部長(上野晋也君) セミコンテクノパーク周辺の道路整備についてお答えをいたします。 合志・菊陽地域では、多くの企業が立地し、朝夕の通勤時間帯を中心に交通渋滞が発生しており、大きな課題であると承知をいたしております。 このため、県では、短期的な対策として、ハード面では、国道387号や県道大津西合志線などにおいて、渋滞が顕著な交差点の右折レーン整備などに順次取り組んでおります。 また、ソフト面では、地元自治体や立地企業の御協力の下、2015年からセミコンテクノパークとJR原水駅との間を朝夕8便ずつ往復する通勤バスを運行し、通勤車両の削減に努めております。 さらに、長期的な対策としては、今年度から事業が進められています中九州横断道路が整備されることで、この地域の交通混雑を緩和できるものと考えており、地域の皆様と一体となって、早期の開通を国に働きかけているところでございます。 しかし、本地域の南側には、JR豊肥本線が東西に通っており、これと交差する南北方向の道路に交通が集中している状況です。 そのため、セミコンテクノパークの南側に、JR豊肥本線を立体交差で越えて国道57号に接続する道路を新たに計画をいたしました。この道路は、都市計画道路菊陽空港線を延伸し、県と菊陽町で連携して取り組むこととしており、年度内の都市計画決定を目指しております。 この道路を整備することにより、熊本市内などからセミコンテクノパークへのアクセスの多重性が確保され、周辺道路の渋滞を緩和できると考えております。 今後も、本地域の渋滞対策に必要となる道路の整備に向けて、しっかりと取り組んでまいります。  〔池永幸生君登壇〕 ◆(池永幸生君) 渋滞解消の策が答弁されました。 そのことがセミコンテクノパークを生かすことになるでしょう。熊本の基幹産業とも言える半導体産業、今こそチャンスと捉え、アフターコロナの時代をつくるべきではないでしょうか。そのことが県の経済を押し上げていくものと考えます。渋滞対策を表に出すことで、企業誘致、また、立地条件に県が率先して取り組む姿を見せることで、イメージアップにもつながります。今後とも、計画をより早く立てられ、渋滞解消に努めていただきたいと思います。 続いて、児童生徒のかばんの重さの問題について。 1年前に、一般質問の席にて、児童生徒のかばんの重さの解消について要望しました。その後の教育委員会の指導はどのように行われたかをお聞きしたいと思います。 私は、地元の学校に対して、子供たちのかばんの重さについて聞きました。小学1年でも5キログラム、中学1年では10キログラムの重量があるようであり、それを毎日毎日運ぶことは、かなりの負担になるものと考えました。 私の孫は、体形に変調を来しました。かばんが重過ぎると思いませんか。荷物の多いとき、持ち上げてみてください。孫が、体調が悪い、足腰が痛いと訴え、診断したら、突発性側わん症、物を持ち続けることで、背骨が変形してS状になっていると言われたということです。 体格がよい子供にとってはそうではなくても、子供は様々です。一度調査を行い、全体的に把握すべきではないでしょうか。そして、どのような対策を取ることでかばんの軽量化が図れるか、いま一度質問させていただきます。 昨年暮れの新聞紙上に、通学荷物の記事が掲載されておりました。アンケートの結果、平均で、小学生5キログラム、中学生は10キログラムを超えていました。大型化する教科書を学校に置いて帰る置き勉等の取組も必要ではないかと考えられます。 以前と違い、荷物の個数も増えてきました。適切な荷物の重さは、体重の10%から15%程度と言われています。小学校低学年の平均体重が25キログラムとしたときに、2.5から3.5キログラムが適正な重さとなります。回答の9割近くが、負担、どちらかといえば負担という返事があったと載っていました。 具体的な対応は、各学校、教育委員会に一任されている置き勉ですが、委員会によっては禁止、チェックがあり、没収がなされるなど、規制があり、学校の判断や実態に差があるようです。 学校によっては、学校に置いてよいものリストが貼られるなどの取組もあるようです。ある自治体では、置き勉をルール化、教育長名で思い切った提案がなされ、教科書等を保管することを各校長に通達したともありました。その対策で、小学校では17%、中学校では30%の改善がなされたと記載されていました。 もちろん、予習、復習のためには必要な教科書と思われますが、研究の中でもどうするかが必要と思われます。熊本市や合志市では、1人1台のタブレットの導入も始まりました。荷物がさらに重くなることが予想されることも鑑み、その機材を有効に使いこなすことで、かばんの重さへの軽量化も図られると思います。 県の教育委員会として、この問題、かばんの重さ解消に向けて、各自治体、各教育委員会にどう指導されたかを教育長にお尋ねいたします。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) 児童生徒のかばんの重さの問題についてお答えをします。 議員御指摘のとおり、教科書等の児童生徒の携行品が過重となることで、身体の健やかな発達への影響が生じかねない懸念があります。このため、各小中学校に対し、児童生徒の携行品に係る工夫例を示し、各学校や地域の実態に応じ適切に対応するよう、令和2年4月に通知したところであります。 これを受け、各学校では、それぞれの実態や発達段階に応じてルールを定めるなど、さらなる軽量化に努めております。 例えば、小学校では、家庭学習で使用するもの以外は基本的に学校に置いてよいというルールを定めたり、携行品が多くなる体育や図工など実技を伴う授業を同じ日に重ならないよう、時間割の編成を工夫したりしております。また、中学校では、いわゆる置き勉リストの項目について生徒会の意見を取り入れたり、定期的に置き勉の状況を確認したりするなど、生徒と一緒になった取組を行っているところであります。 県教育委員会としましては、児童生徒1人1台の端末の配備が整う今年4月に、各学校に対して、端末を含めた携行品について配慮するよう改めて通知を行うとともに、軽量化に向けた好事例を紹介していきたいと考えております。 今後も、携行品の軽量化に向けては、児童生徒の学習上の必要性や通学上の負担など、各学校の実情を考慮した上で、家庭と共通理解の下、適切な配慮が講じられるよう、市町村教育委員会としっかりと連携して対応してまいります。  〔池永幸生君登壇〕 ◆(池永幸生君) 教育長より御答弁いただきました。 これまでも、かばんの軽量化を図るために、委員会として努力してこられました。前にも申し上げたとおり、雨の日、子供たちは大変苦労しているようです。せっかくの楽しい思い出のランドセルが、もう背負いたくない、苦痛に思える品になっては台なしになると思います。各市町村教育委員会と連携して、各学校や家庭と共通理解の下、軽量化に向けて配慮をお願いします。 私の体重が80キロあります。15%としたときに約12キロ、毎日それを背負って学校に行ってたら、登校拒否になります。 民生委員、児童委員の現状と県の取組についてお伺いをいたします。 この項目は、5年前に、後ろに控えておられる渕上副議長から、詳細にわたり質問がなされています。多少重なる点もあるかもしれませんが、昨年度は一斉改選が行われておりますので、その後の民生委員、児童委員の現状についてお尋ねします。 本県では、さきの熊本地震、昨年の7月豪雨と、災害に見舞われており、その際の民生委員、児童委員の方々の御苦労は計り知れないものがあったと思われます。 私の地区の民生委員、児童委員さんは、御年配の方や障害のある方が、家の中のどの部屋で、そしてどちら向きに休まれているかのマップを作られていました。御年配の方や障害のある方の情報を可能な限り把握しておられました。自分の時間を、人のため、社会のために費やし、そして責任の重さを考えたときに、頭の下がる思いであるとともに、なかなか新たな成り手を探すのも大変なことだろうと思われます。 今、日本は、超高齢化社会を迎えています。そのような中で、民生委員、児童委員の皆さんは、社会的孤立を防止するために、よき隣人としての活動やひきこもりの訪問調査をなされるなど、常日頃から時代のニーズに合った活動をされています。また、地域サロン等にも積極的に参加され、地域の高齢者のお世話をしていただいています。活動の中で、住民のプライバシーに踏み込んでいかれる場面もあり、御苦労されているとお聞きしております。 今の地域社会は、多種多様で多くの課題を抱えています。住民のみならず、行政や社会福祉協議会からも多くの依頼が民生委員、児童委員に寄せられ、それも負担になっているのではないでしょうか。 民生委員、児童委員は、活動費以外全てボランティアで、無報酬と聞いております。1期3年の任期ですが、一度委員を引き受けられたら、次の方が決まらず、2期、3期と続けておられるというような地域もあると思われます。 熊本県出身の林市蔵さんは、民生委員の父と呼ばれ、大阪府知事だった大正7年に方面委員制度を創設しました。民生委員制度は、大正6年に始まった岡山県の済世顧問制度がその源とされており、平成29年に制度創設100周年という大きな節目を迎えています。また、昭和22年の児童福祉法の制定により、民生委員は児童委員を兼ねることになり、子供や子育て家庭への支援も大事な役割となっています。 この100年、社会は大きく変化しましたが、民生委員、児童委員は、それぞれの時代で大きな役割を果たし、今日に至っています。 平成30年5月には、民生委員制度創設100周年を記念し、熊本県立劇場で民生委員制度創設100周年記念大会が開催され、併せて熊本市内繁華街でのパレードも行われ、民生委員児童委員の意義や役割について、県民に強くアピールされておりました。これからの100年も、変わらず民生委員、児童委員の取組を進めていくことが大切であると考えます。 そこで質問です。 全国では、民生委員、児童委員の成り手不足が問題となっているようですが、本県の定数に対する充足状況はどうなっているのでしょうか。 また、地域が抱える福祉の現状と民生委員、児童委員の重要性、必要性を考えた場合に、その活動を進めていく上で様々な課題があると思いますが、実態の把握は行われているのでしょうか。 県内の自治体ごとの状況に違いはあると思います。県としての現状認識、取組について、健康福祉部長にお尋ねします。  〔健康福祉部長渡辺克淑君登壇〕 ◎健康福祉部長(渡辺克淑君) 民生委員、児童委員は、地域住民の身近な相談相手となり、支援を必要とする住民と行政や専門機関をつなぐパイプ役として、本県の地域福祉の向上に大変重要な役割を担っていただいています。 社会が大きく変貌する中、民生委員制度は、100年を超えて地域を支えてきましたが、近年は、議員御指摘のとおり、全国的に成り手不足が問題となっています。 一昨年12月の一斉改選では、熊本市を除く本県の定員充足率は96.2%となっており、全国平均を1ポイント上回るものの、3年ごとの一斉改選のたびに低下している状況であり、現在は、16市町村で欠員が生じています。 昨年度市町村に対して行った民生委員・児童委員制度に関する調査では、住民のニーズや福祉制度が複雑多様化し、負担が大きくなっていることや活動に対する住民の理解が十分でないことなどが課題として挙げられ、成り手不足の解消には、これらの課題を解決する必要があります。 まず、民生委員、児童委員の負担を軽減するためには、委員活動の大きな部分を占める支援が必要な世帯や子供の安全などの見守りについて、地域住民をはじめ、社会福祉法人、企業、ボランティア等の参加の下で行う仕組みを整えることが重要です。 このため、県では、新聞配達事業者や電力事業者等と協定を締結し、独り暮らし高齢者等の見守り活動に協力いただく熊本見守り応援隊の取組を進めています。これまでに20の事業者と協定を締結しており、引き続き、協力事業者の拡大に努めてまいります。 さらに、地域福祉活動のリーダーとなる人材を養成する地域の底力向上研修などの取組を進め、地域の見守り体制の充実につなげてまいります。 また、住民の理解促進には、身近な市町村での取組が重要です。市町村による広報誌での活動紹介のほか、市町村民生委員児童委員協議会では、地域の福祉まつりでPRコーナーを設置するなど、様々な取組が行われています。 県としては、これらの取組への支援を強化するために、今年度から協議会の活動に対する補助を拡充したところであり、県民の理解促進に向けた広報等にもさらに力を入れてまいります。 今後も、市町村と連携し、住民の理解の下で、民生委員、児童委員の方々にやりがいと誇りを持って活動していただけるよう、引き続き支援を行ってまいります。  〔池永幸生君登壇〕 ◆(池永幸生君) 部長より御答弁いただきました。 先日、地元の総会に出席し、意見を述べる機会をいただき、また、地元の意見を聞くことができました。答弁の中で、配達事業者等と協定を結ばれ、熊本見守り応援隊を立ち上げておられます。私は、各地域の組織を利用した顔の見える協力を仰ぐことで、少しは民生委員さんの負担が軽減されるのではないかと思います。 所によっては、これからの社会情勢も社会構築に大きな変化をもたらすと考えます。今までは60歳定年が見られましたが、今は70歳までは現役の働き手です。70歳が元気とはいえ、それからの人生を社会のために使うのをちゅうちょされるのではないでしょうか。社会現象の変化は、ほかの組織へも影響を与える心配もあります。特に、災害の多い暮らしの中で、民生委員さんの働き、存在は、高齢化社会にとって大事なものがあります。 報酬は、法律で無給となっています。交通費や通信費に相当する活動費が、1人頭大体年間5万9,000円、国からの交付税で払われていると思います。しかし、独自に上乗せする都道府県や市町村も多いと聞きます。 続いて、九州全体を見据えた防災体制の強化について。 昨年7月、熊本県下、特に県南地方を襲った豪雨は、今でも悪夢のように脳裏に焼きついています。一夜にして多くの人の命を奪い、想像を絶する田畑、居住地への洪水被害を目の当たりにしたとき、自然の猛威に対して人間の無力さを痛感しました。 被災された方々の心情を察するとき、ただただ茫然とするばかりでした。当事者たちは、これからの生活基盤をどのように図るのか、また、住み慣れたこの土地でこれからも暮らすことができるのかなどの心配と不安に満ちたまなざしを強く感じました。 全国的に異常気象と言われる中、特に昨今の気象状況は、私たちの経験や想像を超えるものがあります。いつ想定外の事態が起こってもおかしくありません。また、九州に大きな被害をもたらすおそれのある南海トラフ地震も、近い将来に発生する可能性が高いと言われています。この状況を踏まえると、今やるべきことは、人々の安全、安心を守るための防災対策ではなかろうかと思います。 熊本県は、地理的にも九州のへそ的位置にあり、交通の要となる地域でもあります。例えば、合志市には、縦軸として熊本の南北を走る九州縦貫自動車道の北熊本スマートインターチェンジが設置されました。昨年12月に杭打ち式が行われた横軸の一つである中九州横断道路においては、2か所のインターチェンジもできると聞いています。 県農業公園は、平成28年熊本地震の際に、自衛隊の救助、救援部隊のベースキャンプ地や車中泊用のスペースとして使用されました。また、市にあるヘリコプターの訓練もできる自衛隊の演習場、そして医療施設など、災害時には有効活用できると思います。 このように、熊本県には、合志市のように、九州全体を見渡したときに、縦軸、横軸の重要な地点となり得るポテンシャルを有した地域が多く存在します。 これらの地理的優位性に着眼し、熊本県は、九州を支える防災拠点の役割を担うための基盤や機能の充実強化を促進することを目的として、九州を支える広域防災拠点構想を平成26年1月に策定しています。 私は、大規模災害が全国的に頻発する中、この構想を着実に推進することが、県民や九州全体の安全、安心につながるものと思い、そこでこの構想に関する取組のこれまでの進捗状況と今後どのように取り組んでいかれるのか、知事公室長にお尋ねいたします。  〔知事公室長白石伸一君登壇〕 ◎知事公室長(白石伸一君) 九州を支える広域防災拠点構想に関する取組についてお答えいたします。 まず、これまでの進捗状況でございますが、本構想は、南海トラフ地震等の大規模災害を見据え、本県が九州を支える広域防災拠点としての役割を担えるよう、災害対応における基盤や機能の充実強化を促進することを目的として策定したものでございます。 この構想に基づき、阿蘇くまもと空港の防災駐機場や防災消防航空センターの整備等を進めてまいりました。 また、これまでに、県内全域で大規模災害時の県の物資集積のための施設を11か所、自衛隊等の部隊集結、活動のための施設を108か所確保しております。例えば、合志市におきましては、県農業公園や合志市総合運動公園、中央運動公園を部隊集結、活動のための施設として確保しております。 熊本地震や7月豪雨災害では、阿蘇くまもと空港の防災駐機場に、全国から参集した緊急消防援助隊、警察航空隊の応援ヘリを受け入れるなど、実際の災害対応時にその機能を発揮することができました。 次に、今後の取組についてでございますが、大規模災害が頻発する中、本県の災害対応力や九州における拠点性をさらに高めるため、来年度、広域防災拠点の機能強化に向けた検討を進めることとしております。 具体的には、九州の縦軸、横軸に沿った物資集積や部隊集結、活動のための施設の追加確保、水、食料、医薬品等のリソース調査の実施、物資提供に関する協力企業とのさらなる協定締結などに取り組みます。また、専門家の御意見も伺いながら、広域防災拠点に求められる新たな機能の検討にも着手したいと考えております。 引き続き、市町村や関係機関とも連携しながら、九州全体を見据えた防災体制の強化にしっかりと取り組んでまいります。  〔池永幸生君登壇〕 ◆(池永幸生君) 知事公室長に御答弁いただきました。 質問しました合志市や御船、特に知事が述べておられる命の道、縦軸、横軸が交差する高速道路を利用した政策は、これから大事な取組と思われます。 これまでも多くの自然災害に遭った熊本であり、日本でありました。拠点をつくる、また、拠点の構想をつくるなど、検討をお願いします。備えあれば憂いなしという言葉もあります。やはりそういった構想を持つことで、これからのいろんな災害に立ち向かうことができるのではないでしょうか。 終わりに、蒲島知事は、将来、決断の知事と称されることになると思います。それほど様々な出来事、問題が起きました。これからも県民のリーダーとして頑張っていただきたいと思います。私としても、県の発展のために努力を惜しまず、頑張っていきたいと思っております。 時間が余りました。ゆっくりしゃべる池永でございますけれども、つい早口になってしまいました。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(渕上陽一君) この際、5分間休憩いたします。  午前10時56分休憩    ――――――○――――――  午前11時6分開議 ○副議長(渕上陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 坂梨剛昭君。  〔坂梨剛昭君登壇〕(拍手)
    ◆(坂梨剛昭君) 皆さん、こんにちは。玉名市選出・自由民主党・坂梨剛昭です。今回で2回目の質問となります。どうぞよろしくお願いいたします。 10年前の今日、東北地方を中心に突然襲った東日本大震災、当時を振り返ると思い出すことがございます。3月12日に行われるはずだった気仙沼市立階上中学校卒業式、10日後に挙行され、生徒代表で述べられた言葉です。自然の猛威の前で、人間の力はあまりに無力で、命の重さを知るには大き過ぎる代償でした、しかし、苦境にあっても、天を恨まず、運命に耐え、助け合って生きていくことが、私たちの使命です、抜粋ではありますが、当時、この報道を多くの方が見て、涙をこらえ、悲しみをかみしめて伝える姿に共感をいたしました。 本県におきましても、昨年の豪雨災害で多くの貴い命が失われました。改めて、犠牲になられた方々に、心からお悔やみを申し上げます。そして、一日でも早く復旧、そして復興を成し遂げ、被災地の方々に安心と安全の日が訪れることを心から願い、そして私も、立ち上がる被災地に力を注げるよう精進していくことを決意し、発言通告に従い、質問をさせていただきます。 最初の質問は、災害時における住民避難の支援、促進についてお尋ねをいたします。 昨年の7月豪雨後、私は、支援物資を運ぶため、初めて人吉に入りました。途中、車から見えてきた光景はあまりに衝撃的で、胸が苦しくなったことを今も覚えています。 今回の豪雨は、主な原因として、積乱雲が同じ場所に次々と発生しては帯状に連なってしまったこと、さらには同じ場所に数時間にわたり停滞し発生した線状降水帯と言われており、想像を超えた大雨をもたらしました。 今年1月、気象庁は、これまで予測が厳しかった線状降水帯の精度向上に向けて、気象観測体制を強化、水蒸気の発生を早期に捉えるため、新たに洋上での観測を始めました。予測精度を高める取組は2018年度に始まりましたが、気象庁としては、2030年までには線状降水帯の発生による集中豪雨を半日前には予測できるよう、技術の確立を目指しているとしています。 これだけ時代が進みながらも、12時間前にしか予測ができないということ、また、今後いつ自然の猛威が私たちの想像を超えてくるかもしれないということも踏まえて、最終的には一人一人の迅速な行動と的確な判断が重要となってきます。 地球の温暖化が急激に進み、これまでの防災常識が通用しなくなってきている中、昨年の7月豪雨のような災害が、今年、また来年発生するかもしれない、被災地の方々にとっては、生活再建を進める中で、豪雨災害への不安が拭えず、葛藤されている方もいるのではないかと思います。 改めて、県民が一丸となり、緊急にハード対策を進め、同時にソフト対策においても進めていかなくてはなりません。 そこで、まず1点目の質問、避難行動要支援者の個別計画についてお伺いします。 昨年12月、高齢者や障害者など、災害時に自ら避難することが困難な避難行動要支援者ごとに市町村が作成する個別計画について、熊本県内45市町村の作成が全国より高い割合で進んでいることが報道をされました。その背景には、熊本地震や豪雨、また、台風など危機意識の高まりがあるようで、対象者全員分を作成している自治体が10市町村、残りの35市町村は一部作成となっております。 災害時の避難に支援を必要とする方が迅速かつ安全に避難するためには、その方を日頃からサポートされている御家族や民生委員、近隣住民など、一人一人がどのように避難を支援するのか、綿密に定めておく必要があります。 地域のつながりが強い郡部においては、家族や地縁、血縁、また、民生委員の方々の協力で計画を作成されているようですが、地域のつながりが薄い都市部においては、避難を手助けする人がいなかったり、要支援者だと知られたくないという方も多くおられるようで、計画作成がなかなか進まないといった現状があるようです。 令和3年通常国会では、個別計画を個別避難計画と改称した上で、計画の作成を市町村長の努力義務とすることを盛り込んだ災害対策基本法などの一部改正法案も提出されております。 御承知のとおり、災害はいつ起きてもおかしくはありません。知事の理念である誰一人取り残さないためにも、早急に全ての避難行動要支援者の個別計画を作成する必要があると考えますが、県として、市町村の個別計画の作成を今後どのように支援していかれるのか、健康福祉部長にお尋ねをいたします。 次に、2点目の質問、住民一人一人が取るべき防災行動、マイタイムラインについてお伺いをいたします。 一般的なタイムラインは、自治体が策定し、洪水発生や台風上陸などの数日前から逆算、いつ、何をするなど、避難に備えた行動を事前に決めておくものです。 個人や家庭で作成するマイタイムラインは、市町村が公表しているハザードマップを用い、自らが住む地域の様々なリスクを知り、家族を守り、地域を守る、逃げ遅れゼロを目指して作成していくものです。 作成に当たっては、各地域での話合いなどの機会を通じ、ハザードマップを活用した避難ルートの確認や防災用品の準備など、事前になすべき行動を確認することが必要になってきます。 このように、マイタイムラインを作成することにより自助の意識、話し合うことでの共助の意識、さらには公助の確認も含めて、総合的に防災意識を高めていくことができます。 今回7月豪雨災害で犠牲になられた方々は、どうしても逃げ遅れリスクのある高齢者が多く、そのような地域の事情も踏まえマイタイムラインを作成していくこと、また、防災訓練などを開催し、連携を取っていくことは大変重要かと思います。 しかしながら、マイタイムラインの全県民普及には多大の時間が必要とされ、さらにはコロナ禍の中、普及活動への弊害もございます。各自治体から校区、行政区から家庭へと説明していく中で、日常での行動、また、学校や職場での行動など、様々な状況も想定していく必要もあり、普及活動には行政の役割が大きいと考えます。 ハード対策と併せて早急に対応すべき自助、共助のソフト対策として、マイタイムラインの普及をどのように進めていかれるのか、知事公室長にお尋ねをいたします。  〔健康福祉部長渡辺克淑君登壇〕 ◎健康福祉部長(渡辺克淑君) 市町村による避難行動要支援者の個別計画作成に対する県の支援についてお答えします。 本県では、熊本復旧・復興4カ年戦略において、全市町村での個別計画の作成を目標に掲げ、研修会や意見交換会の開催等を通して、市町村の取組を支援してきました。 その結果、昨年4月までに個別計画未作成の市町村は解消されましたが、議員御指摘のとおり、全ての要支援者について個別計画を作成しているのは10市町村にとどまっており、個別計画の作成をさらに進めるとともに、計画の実効性を高めることが必要です。 このため、防災や福祉の専門家等をアドバイザーとして市町村に派遣するとともに、日頃から要支援者の状況を把握しているケアマネジャー等の福祉専門職と連携した計画作成や要支援者が参加した避難訓練の実施等に要する経費を支援するため、関連予算を今定例会に提案しております。 熊本地震や昨年の豪雨災害の経験、さらに災害対策基本法の改正を見据え、避難の際に支援を必要とする方々が、誰一人取り残されることなく、円滑かつ迅速に避難できるよう、市町村が行う個別計画の作成や実効性を高める取組への支援を、スピード感を持って進めてまいります。  〔知事公室長白石伸一君登壇〕 ◎知事公室長(白石伸一君) マイタイムラインの普及についてお答えいたします。 マイタイムラインとは、住民一人一人が作成する防災行動計画であり、作成を通じて自宅の災害リスクを把握し、早期の避難行動につなげることができる効果的なツールでございます。 令和2年7月豪雨災害の教訓を踏まえ、逃げ遅れゼロを目指して、来年度から、県内全域でマイタイムラインの普及を進めることとしております。 具体的には、まず、今年の梅雨期までに、一人でも多くの方にマイタイムラインを簡単につくっていただけるよう、ガイドブックを作成するとともに、タイムライン作成シートを県内全世帯に配布いたします。 また、市町村や自主防災組織と連携して、マイタイムラインを活用した住民参加型の避難訓練を行います。 さらに、今後、学校と連携し、児童生徒から保護者等への浸透を図ることも検討しております。 引き続き、県民の皆様に、自分の命は自分で守るという意識を持ち、早期の避難行動を実践していただけるよう、マイタイムラインの普及にしっかりと取り組んでまいります。  〔坂梨剛昭君登壇〕 ◆(坂梨剛昭君) 逃げ遅れという惨事だけは起こしてはなりません。守れる命は助け、守らなくてはいけません。健康福祉部長、知事公室長、普及に向けて力強い答弁をいただきました。 私たちは、近年、熊本地震、7月豪雨など、大災害を経験いたしました。しかしながら、時がたてば、記憶とは薄れていくものです。だからこそ、防災意識が高い今が、全県民普及に向けて大切な時期になるのかと思います。ぜひ、避難行動要支援者の個別計画、マイタイムラインの全県民普及に向けて、総力を挙げて推進していただけるようよろしくお願いいたします。 次に、ウィズコロナ時代の教育環境について、2点質問いたします。 昨年2月に県内で初めて新型コロナウイルス感染者が確認され、1年が過ぎました。世界中の人々が恐怖と不安にさいなまれ、今なお見えない敵との闘いは続いています。 そして、コロナウイルスは、私たち大人の世界だけではなく、当たり前のように子供たちの生活環境や教育分野においても影響を及ぼしています。 昨年4月、全国一斉の緊急事態宣言が発令され、学校は突然の休みとなり、途中の臨時登校、分散登校などを挟み、約3か月という長期の休校となりました。 この期間、子供たちは、各家庭で学校からの課題、また、自主学習などに取り組むことになりましたが、その教育環境は、子供たちにとって非日常であり、戸惑いもあったかと思います。 学校の教育現場においては、命を預かる側としての感染予防対策の重責は計り知れなく、コロナ禍という非常事態に、衛生管理マニュアルを基本とし、今も全力で子供たちの安心と安全の確保のために御尽力をいただいております。 本当に、この1年間、教育委員会として、また、最前線で奔走されておられます学校関係者の皆様には、今できる最大限の教育環境を整えていただいたと感謝します。 しかし、先月、とても悲しい報道を目にしました。文部科学省は、令和2年の全国の小中学生と高校生の自殺者が479人に上ると公表をいたしました。この数字は、前年比41.3%も増えており、過去最多となりました。 主な原因として、進路の悩み、学業の不振、親子関係の不和、新しい生活環境での孤立からの精神疾患など、コロナ禍による社会的不安の影響もあり、様々な悩みが複合的に重なったと考えられています。 現在、県教育委員会では「夢への架け橋」教育プランを作成されておられますが、この施策の一つに、家庭は、教育の原点であり、教育の出発点であると記載してあります。子供の成長とともに親としても成長していく、家庭教育の支援にしっかりと取り組む。今回、コロナにより、いわゆるおうち時間が増えたことで、家庭教育の重要性が改めて見直された気がいたします。 私も、コロナ禍の中、多くの時間を家族で過ごし、2人の子を持つ親として、改めて教育の原点は家庭にあるということ、そして子供に対しての愛情が大切だと強く感じました。 今社会全体がコロナウイルス感染拡大によりとても不安定な状況にある中、日常と違う時間が長く続き、ニュースなどから伝わる様々な情報に、不安や恐怖、また、心配を感じている子供たちも多いかと思います。 本来であれば、踏みとどまっていたかもしれないその貴い命のために、また、悩んでいる御家庭のためにも、自殺予防の教育を整えていただくこと、また、相談体制の強化など、取組を充実させていくことが必要ではないかと考えます。さらに、家庭教育への支援も重要と考えます。 そこで、1点目の質問をいたします。 ワクチンという希望の光が見えつつも、感染の不安を拭い切ることは、まだまだ難しい状況が続くかと思われます。ウィズコロナの時代、最悪の事態を招かないためには、早期に子供たちや家庭の不安や心配を取り除くことが必要と思いますが、教育委員会として今後どのように取り組んでいかれるのか、教育長にお尋ねいたします。 次に、2点目の質問です。 教育もニューノーマル時代に突入すると言われ、来年度は、いよいよ一人一人がタブレットPC端末を持つことになり、GIGAスクールの準備が進められているところです。 しかし、タブレットやパソコンなどの情報端末の操作能力に関しては、生徒それぞれに差があり、この差が将来の学力の差につながることがあってはなりません。 パソコンが使えない子供たちは、本来の学習以外にもパソコンの操作を覚える必要があり、学習のペースに差が生じているかもしれません。また、学校では、先生や友達の手助けがあり、パソコンを使いこなせたとしても、いざ家でオンライン授業になったときは全く使えないといったケースも想定をされます。 保護者の中には、パソコンやインターネットということは苦手なので、学校でしっかりとパソコン操作については指導してほしい、また、自宅でオンライン授業が問題なく受けられるよう、通常の授業でも実践的なオンライン授業を取り入れてほしい、そういった声も聞かれます。 そのような中、福岡市の小中学校では、先月、コロナウイルス感染拡大や災害などで学校が突如休校になった場合でも、スムーズにオンライン授業を行えるよう、訓練として、子供たちが自宅でオンラインにより授業を受けるといった取組が一斉に実施されました。 私は、タブレットPC端末の導入に当たっては、子供たちのパソコン操作能力の格差を極力低減させ、また、いざというとき、ストレスなく各家庭でオンライン授業を受けることができるようになることが重要と考えます。 そこで、2点目の質問をいたします。 ICT教育を推進する中で、まずは子供たちがパソコンに慣れ親しみ、使いこなすことができるようになることが重要だと思いますが、子供たちの操作能力の格差をなくすため、今後どのように取り組んでいかれるのか、教育長にお尋ねいたします。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) まず、1点目の子供たちの不安解消についてですが、今年度、6月と10月に、熊本市を除く公立学校の児童生徒を対象に、新型コロナウイルス感染症に係る不安や悩み等についてのアンケートを実施し、状況の把握に努めております。 10月の結果によりますと、全児童生徒の約3割が不安や悩みがあると回答しており、自分が感染するかもしれないことや修学旅行等の学校行事についての不安や悩みが多くありました。 県教育委員会では、このような状況を踏まえまして、子供たちの不安解消のため、次の4つの取組を実施しております。 1つ目は、感染症の正しい情報の周知、2つ目は、学校行事の開催に向けた感染防止対策や実施時期の工夫などの学校に対する助言、3つ目は、各学校の相談窓口、24時間子供SOSダイヤル、インターネットで相談できるスクールサインなどの各種相談窓口の周知、そして4つ目は、スクールカウンセラー等の専門家と連携した教育相談体制の整備であります。 今後も引き続き、子供たちが不安や悩みを抱え込まず、相談しやすい環境を整備していくとともに、心のケアなどの必要な支援を行ってまいります。 また、家庭の不安解消につきましては、コロナ禍に焦点を当てた親の学び講座の実施や保護者向けQ&Aのホームページへの掲載、電話相談窓口の周知などを実施しており、今後も、関係機関と連携して家庭の様々な不安や悩みに寄り添い、その軽減に取り組んでまいります。 次に、2点目の子供たちのパソコン操作能力の格差解消についてお答えをします。 子供たちが、これからのSociety5.0の時代を生き抜いていくためには、ICTを使いこなしていくことが不可欠となっております。 そのため、小学校の1、2年生では、端末の起動、終了やマウス操作といった基本の操作、3、4年生では、仮名入力やローマ字入力、インターネットへの接続、メールの送受信など、そして5、6年生になると、表計算ソフトなど多くのアプリケーションの操作について、子供たちは授業を通じて学んでいきます。その後、中学、高校では、生徒それぞれの資質等に応じてICTを活用していくことになります。 このような小学校における端末の基本操作につきましては、国が学年ごとの習得モデルを示しておりますが、県教育委員会におきましても、高森町などの先進的な取組を踏まえた、より分かりやすい県独自のモデルを作成し、各市町村教育委員会に対して、来年度の早い時期に示してまいります。 今後も、このような操作スキル習得の取組を通して、臨時休業時の家庭における学びへの対応も含めまして、子供たちのパソコンの操作能力の向上を図ってまいります。  〔坂梨剛昭君登壇〕 ◆(坂梨剛昭君) 教育長より答弁をいただきました。 子供たちが見ている世界というのは、私たちが想像する以上に広く、また、広過ぎるがゆえに、心理士の方は、心に入り込むことがとても難しいと言われています。さらに、今コロナ禍ということもあり、表には見えない悩みがより複雑化している、そんな気もいたします。 ぜひ、悩める子供たち、また、保護者のためにも、県が推進している親の学びとともに子供たちの相談環境を、時代に合わせて常に調整し、対応していただきたいと思います。 ICTに対しましては、子供も学校も、そして行政としても初めての試みとなります。あらゆる情報、そしてデータを収集し、独自の熊本モデルとして、操作能力の格差をなくして学力向上につなげていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 次の質問は、外国人労働者雇用の現状と支援についてお尋ねをいたします。 世界中に猛威を振るう新型コロナウイルスは、私たちの健康や日常を脅かすだけにとどまらず、ありとあらゆる業界団体に激震を走らせ続けています。 先の見えないこの闘いは、倒産や廃業または業務縮小など、経済活動の環境を停滞させており、この状況は、外国人の労働雇用に対しても影響を与えています。 現在、外国人の労働者数は、2016年に100万人を突破、2020年には約172万人に上り、今後さらに増えていくものと予測されています。 九州において、熊本は福岡県に次いで多く、熊本労働局が公表した令和2年10月末現在の外国人雇用状況届出状況集計結果では、1万2,928人の外国人労働者の届出がされております。前年同期比で4.7%の増加で、国別においては、ベトナムが5,937人、中国は2,380人、フィリピンが1,730人と続き、農業や製造業における技能実習での雇用が拡大をしています。 今、日本にとりましても、熊本県においても、外国人労働者の存在は大きいと言っても過言ではないかもしれません。しかしながら、コロナ禍の影響で、外国人労働者の出国または入国の規制において厳しい状況が続いており、現在も先が見えていない状態です。途中、規制が緩和され、飛行機の往来は再開されたものの、対象国は限られており、地域によっては出入国がかなわない国もありました。 この問題は、新型コロナウイルス感染拡大による航空路線の相次ぐ運休で、現在、地方の空港では国際線の離発着が行われていないというところもあるようで、関東や関西の限られた空港などを利用しなければ海外との往来ができないという問題があります。 また、熊本から外国人材を受け入れるに当たって、関東や関西の空港から熊本までの交通費に関しては、外国人材を受け入れる事業者が負担するケースが多く、さらには水際対策のため、国から要請されている入国後14日間の待機費用、いわゆる宿泊費に対しましても、主に事業者が追加負担をしなくてはなりません。 体力のある企業であれば、これらの費用を負担したとしても、経営的には何とか乗り切ることができるかもしれませんが、個人事業主または農業者にとっては、この費用負担は経営に重くのしかかってくるものと私は考えます。 このような中、鹿児島県においては、新型コロナウイルス感染症の水際対策として、国から要請されている入国後の14日間の待機など、外国人材を受け入れるに当たって、受入れ事業者が追加的に負担する経費を支援する県の補助事業として、コロナ禍における外国人材受入支援事業に取り組まれています。 この補助事業ですが、補助対象者は、外国人技能実習生など、外国人材を雇用または雇用予定の県内事業者となっており、補助対象経費は、外国人材が日本への入国後に要請されます14日間の待機期間中の宿泊費などです。経費の5分の4以内を県が補助、外国人材1人当たり上限として10万円、1事業者当たり上限が100万円となっております。対象期間として、緊急事態宣言解除から入国の制限が緩和された時期まで遡り、昨年の7月29日から本年の3月19日までの間に入国し、事業者が支払ったものとなっております。 なお、同様の支援事業は、北海道や福岡県、福井県などでも実施されております。 今後も、渡航による感染拡大だけは阻止しなくてはなりません。ですが、その水際対策とはいえ、新型コロナウイルスの影響で国から要請されております入国後14日間の待機費用の負担に関しては、小規模事業者が多い本県だからこそ、私は、県としても支援策を打ち出すことが必要だと考えます。 そこで質問をいたします。 水際対策のため、入国後14日間の待機費用などを負担している外国人材を雇用または雇用予定の事業者に対する支援策について、県の考えを商工労働部長にお尋ねをいたします。  〔商工労働部長藤井一恵君登壇〕 ◎商工労働部長(藤井一恵君) 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、経済情勢の悪化により、国内労働者のみならず、外国人労働者の解雇、雇い止めの問題が生じています。 国においては、解雇や帰国困難となった外国人労働者に対して、在留資格の変更や人手不足分野への再就職につなげる雇用維持の支援等の取組を行っています。 県においても、外国人材受入支援センターで、企業からの相談対応やマッチング支援等を行うとともに、外国人サポートセンターでは、外国人の方の生活面での相談に対し、不安解消につながるよう、市町村や関係機関と連携しながら、きめ細かに対応しております。 また、国や県では、新型コロナウイルスの影響で離職した国内の方々に対しても、職業訓練等を行い、人手不足分野への再就職を促進する取組を進めております。 しかしながら、このような施策を講じても、農業や製造業などの分野では、なお人材が十分には確保できない状況です。 さらに、議員御指摘のとおり、外国人労働者の受入れには、水際対策として、入国後14日間の宿泊施設における待機や国内での移動に公共交通機関を使わないことが受入れ事業者に求められており、これらの追加的経費が大きな負担となっています。 このような状況を踏まえ、事業者が外国人労働者を受け入れるための負担の軽減に向けた支援について、具体的に検討してまいります。 今後、県としては、水際対策を徹底することで新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐとともに、外国人の方が本県の地域産業を支える貴重なパートナーとして、安心して働き、活躍できる環境を整備し、国内だけでなく世界から選ばれる熊本となるよう、しっかりと取り組んでまいります。  〔坂梨剛昭君君登壇〕 ◆(坂梨剛昭君) 商工労働部長から答弁をいただきました。 外国人労働者の労働環境というのは、受入先によっておのおの違いがございます。私も、様々な声を耳にいたします。今後も選ばれる熊本となるため、また、外国人労働者が母国に帰国した際、熊本のすばらしさを発信していただけるような環境づくりにも力を注いでいただきたいと思います。 しかしながら、現在、コロナ禍の水際対策のため、受入れ事業者は、宿泊待機費用など、多額の負担を強いられている状態です。先ほど答弁で、負担軽減に向け支援策を検討するというとても前向きな言葉を聞き、安心をいたしました。 コロナ禍で大変厳しい中、受入れ事業者は、今も歯を食いしばり、今日も頑張っておられます。ぜひ、奮闘されておられます事業者のために、早期に対応をよろしくお願いいたします。 次に、所有者不明土地解消の契機となり得る地籍調査についてお尋ねをいたします。 不動産登記簿により所有者が直ちに判明しないまたは判明しても連絡がつかない土地、いわゆる所有者不明土地が全国的に増えてきております。2016年12月時点、国土全体で、所有者不明土地は、九州の面積を上回る約410万ヘクタール存在すると推計されております。 このような状況に至った背景には、様々な原因が考えられますが、人口減少や高齢化の進展に伴う土地の利用ニーズの低下、地方から大都市への人口移動に伴う不在地主の増加、また、登記に対する必要性の認識が欠如している、そのようなことが考えられます。 今後も、相続の機会が増加する中で、所有者不明土地は増加の一途をたどることが見込まれており、地域にとっても、地方にとっても、喫緊の課題となっております。 そこで、国においては、所有者不明土地の利用の円滑化及び土地所有者の効果的な探索などを図ることを目的とした所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法を制定、令和元年6月に全面施行されたところです。 所有者不明土地は、土地の円滑で適正な利用に支障を来しており、例えば、公共事業などにおいて取得しようとした用地が、明治時代の登記のまま相続登記がされておらず、調査の結果、相続人が多数となり、かつ、一部の相続人が特定できなかったため、用地の取得に多大な時間と労力を要したといった事例が報告されています。 本県においても、5年前の熊本地震、また、昨年に起きた7月豪雨など、復旧、復興を進めるに当たり、所有者不明の土地が判明した例もあるのではないかと思います。 様々な問題から所有者不明土地が増加していくことは、災害復旧をはじめ、都市開発、道路整備や山林管理、農地の集積など、公共的な事業を進めるに当たり、事業の長期化のみならず、民間開発としても土地取引を停滞させる懸念があり、経済成長にも影響が出てくるものと思われます。 そこで、本来、こうした所有者不明土地が発生しないようにする事前の措置が必要であることから、私は、地籍調査が所有者不明土地の把握や対策を進める上でも効果的な施策の一つではないかと考えています。 地籍調査は、国土調査法に基づき、昭和26年に開始され、主に市町村が実施主体となって行われてきました。現在、地籍調査の進捗率は、令和元年度末時点で、全国が52%、熊本においては84%と高い水準になっております。 地籍調査は、土地をめぐる行政活動や経済活動の基礎データを築くものであり、着手が遅れてしまえばしまうほど土地の境界の調査に必要な人証や物証が失われ、時間の経過とともに調査が困難となります。 今後、地籍調査を進めるに当たり、予算の確保や、また、実施主体である市町村において多くの時間と人手が必要とされることから、実施が難しいところはございますが、所有者不明土地の解消の契機となり得る重要な調査であり、早期に対応していただきたいと考えています。 そこで質問です。 市町村が地籍調査を円滑に進めていくため、県として今後どのように取り組まれるのか、農林水産部長にお尋ねをいたします。  〔農林水産部長竹内信義君登壇〕 ◎農林水産部長(竹内信義君) 本県の地籍調査は、45市町村のうち、これまでに31市町村で完了しております。県内の全調査面積におけます昨年度末の進捗率は84%で、全国平均の52%を大きく上回っており、全国第7位となっております。 この成果は、各種公共事業の実施や税務行政、土地取引など、多方面に活用され、重要な役割を果たしております。 熊本地震直後も、益城町の仮設団地建設などにおいて、地籍調査が行われていたことで境界確認が円滑に実施でき、復旧・復興事業の迅速化に大きく寄与したところでございます。 本県では、昨年5月に、令和11年度を計画期間とする熊本県第7次国土調査事業十箇年計画を策定しており、10年間で606平方キロの調査を完了させ、進捗率を現在の84%から93%まで引き上げることを目標としております。 今後、土砂災害警戒区域など、災害のおそれがある地域や道路改良などの公共事業予定地域及び進捗率が低い都市部や未調査の面積が大きい林地を、重点的に調査していくこととしております。 なお、地籍調査では、所有者が不明な土地は、境界が確認できないため、これまではその隣接地も含めて筆界未定になるという課題がございました。しかし、筆界未定の土地は、議員御指摘のとおり、公共事業をはじめ、土地開発を行う上で様々な支障を来すことから、昨年6月に国の地籍調査作業規程が改正され、権利者の一部が不明であっても、判明している権利者同士で筆界確認を行い、公告手続を経て、境界を確定できる制度が創設されました。 地籍調査を円滑に進めるためには、実施主体となる市町村職員のこのような新たな制度に関する理解や技術力の向上が不可欠です。県では、引き続き、初任者研修や実務者研修など、担当者の経験に応じた研修の充実を図りながら、人材育成を進めてまいります。 さらに、今年度の国の第3次補正予算からスタートした防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策もしっかりと活用しながら、市町村と連携して、県内の地籍調査が加速するよう取り組んでまいります。  〔坂梨剛昭君登壇〕 ◆(坂梨剛昭君) 令和11年度を目標に、地籍調査進捗率を93%まで引き上げるという答弁をいただきました。これは、度重なる大災害を経験した本県だからこそ、地籍調査に対し、意識の高さを感じています。 所有者不明土地に関しましては、契機とはなり得るとは思いますが、最終的には個人が登記をしなくてはならないと、そういった難題もございます。ただ、特別措置法が施行され、また、筆界未定地問題なども改正され、より公共事業、また、災害復旧の事業なども円滑に進んでいくことが分かり、とても安心をいたしました。 地籍調査は、とても大切な行政活動です。ぜひ、93%と言わず、100%を目指して頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いします。 次に、地域交通の維持に向けた貨客混載の可能性についてお尋ねいたします。 国家課題である人口の減少は、これまでも社会問題として取り上げられてきました。しかし、いまだ解決の糸口は見いだせない状況であり、総務省統計局の人口推計結果によると、2008年をピークに、日本の人口は低下の一途をたどっております。 先月、厚生労働省は、2020年の出生数は、約87万人と、過去最少になると発表、ますます少子高齢化に歯止めがかからないこの状況は、今後の社会保障の問題、労働人口の低下など、各自治体においても無視はできない大きな緊急課題となっております。 人口減少は、私たちの生活する社会や様々なシステムに大きな影響や変化を与えており、人の移動や経済活動を支える地域交通分野もその一つです。 住民にとって最も身近な公共交通機関である路線バスについては、昭和44年のピーク時に県全体で約1億2,000万人いた利用者が、現在では3,000万人を割り、4分の1にまで大きく減少をしています。 利用者の減少は、当然のごとく、バス事業者の収益に影響し、近年の収支状況は、県全体で約30億円の大きな赤字を計上しています。そして、この赤字を国、県、市町村が補填、その額も年々増加しているという問題もあります。 さらに、人口減少は、利用者の減少のみならず、担い手不足という影響も与えており、バス事業者においては、運転士が不足し、運行したくても運行できない、利用の少ない路線は廃止されるという負の連鎖が起きている現状がございます。 この5年間で、バスサービスの供給量を表す実車走行キロは、県全体で18%減少しています。私の地元である玉名地区でも、24%も減少をしています。 このように厳しい状況ではありますが、本県の各地域の活力を維持、また、発展をさせていくためには、地域の公共交通は欠かせないものであり、その維持はとても重要な課題であると私は感じています。 そこで、その一つの活路として、貨客混載事業を提案したいと思います。 貨客混載とは、旅客と貨物の輸送運行を一緒に行う形態のことであり、鉄道や高速バス、路線バスなどを利用、現在様々な形で取組が広がっています。 最近の新聞報道などで御存じの方もおられるかと思いますが、JR九州の新幹線においても、客室乗務員室を利用して、鹿児島県産の農産物を博多駅まで輸送、その後、駅内でマルシェを開催する、そのような取組も行われました。 これまで、制度上の支障により旅客と貨物のいわゆる掛け持ちはできなかったのですが、過疎地域などにおける人流、物流サービスの持続可能性を確保するため、従来の自動車運送業の縦割りにとらわれず、乗合バスについては貸切りバス、タクシー、トラックについては過疎地域において、旅客運送と貨物運送の事業の生産性向上を図られるという利点、さらには日常生活でのライフラインの解消にもつながるものと考えられております。 自治体の負担が大きい路線バスにおいて、過疎地、特に中山間地においては、人口減少やドライバー不足によりやむを得ず路線の縮小や廃止を検討するところでも、採算性は難しい中でも、運賃収入だけでなく、貨物収入も増えることから、路線継続の可能性が今後広がるのではないでしょうか。また、同様に、人手不足の課題を抱える貨物輸送業界においても、事業の効率化を図られるのではないかと私は考えております。 県内では、既に平成28年10月から、人吉市、そして五木村区間で、産交バス、ヤマト運輸による貨客混載が実施されています。昨年の豪雨により車両が被災したため、現在は休止中となっておりますが、このような取組により、地域住民の移動の足を確保するとともに、併せて物流の効率化を図ることはとても重要なことだと考えます。 そこで質問をさせていただきます。 県は、地域の公共交通を維持するため、提案する貨客混載の推進をはじめとして、どのように取り組んでいかれるのか、企画振興部長にお尋ねをいたします。  〔企画振興部長高橋太朗君登壇〕 ◎企画振興部長(高橋太朗君) 本県の地域公共交通は、利用者の減少や運転士等の労働力不足、新型コロナウイルスの影響などにより、大変厳しい状況にあります。 しかしながら、県民が各地域で安心して暮らしていくためには、生活を支える移動手段の確保が大変重要です。 そこで、今年度、県内全域で地域の実情に応じた持続可能な公共交通網を構築していくことを目的に、熊本県地域公共交通計画を策定いたしました。 計画の目標として「持続可能な幹線公共交通ネットワークの構築」と「輸送資源の総動員によるコミュニティ交通の充実」を掲げています。 議員御提案の貨客混載については、地方における物流サービスの確保及び公共交通の新たな収入源の確保を図る手段として、国も関係する法律を改正し、過疎地域での活用を促進しているところです。 今回作成した県の計画においても、貨客混載をコミュニティー交通の充実に向けた過疎地域等における移動手段の確保を図る施策の一つに位置づけています。 今後、全国で取り組まれている先進事例なども参考にしながら、市町村や交通事業者と連携し、県内における取組を進めてまいります。 なお、地域公共交通の維持のためには、貨客混載など、既存の輸送資源の活用はもちろんのこと、自動運転などの新技術を含めたあらゆる選択肢を活用し、地域の実情に応じた施策の推進が必要と考えます。 県としては、引き続き、本格的な人口減少、高齢社会の到来や新型コロナウイルス収束後の新しい生活様式を踏まえ、多様化する県民の移動ニーズを満たす地域公共交通網の構築に努めてまいります。  〔坂梨剛昭君登壇〕 ◆(坂梨剛昭君) 貨客混載について答弁をいただきました。地域公共交通維持のため、あらゆる選択肢を活用し、交通網の構築に努めていただくと答弁をいただきました。 市町村の合併や学校の統廃合、また、地域によっては若者の地方離れなど、様々な要因、また、原因はございますが、地方は衰退の一路をたどっているところがとても多くなっている気がいたします。 問題解決の答えはとても難しいのですが、公共交通はとても重要で、今後貨客混載の利用によって地域コミュニティーを維持していくこと、私はその可能性に大きく期待をしています。 ぜひ、今回一般質問をさせていただきましたが、今後、民間アプローチも併せて連携を強化していただき、今開発が進んでいるMaaSなどを活用し、輸送と移動の効率化などを含むソフト開発にも注視していただき、貨客混載に熊本県も取り組んでいただき、過疎地域への移住アピールにつなげていただければと思います。よろしくお願いいたします。 最後に、CO2排出実質ゼロに向けたモーダルシフト構想について、要望をさせていただきます。 令和元年12月に、議会で、蒲島知事が2050年熊本県内CO2排出実質ゼロを宣言、県は、次代へつなげる持続可能な未来創造に向けて、大きな一歩を踏み出しました。 まず、県民意識が高まる取組として、昨年の10月、くまもとCO2ゼロびっくりアイデアコンテストを開催、応募総数は331点、現実的なアイデアからユニークなアイデア、さらには大人ではとても思いつかない斬新的なものまで、幅広くアイデアが集まりました。まだ見ておられない方がおられたら、ぜひ県庁ホームページを閲覧してみてください。 CO2排出実質ゼロは、とても高いハードルかとは思いますが、目標達成に向けて、私は、低減手段の一つとして、輸送構想の効率化を図り、さらには環境にも配慮したモーダルシフト構想を提案したいと思います。 モーダルシフトとは、これまでのトラックや車での長距離貨物輸送を、環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換していくことで、CO2の排出量を大幅に削減することができます。 この考え方は1980年代から存在し、当時の運輸省も取組に着手しました。一時下火となりましたが、2010年代から大企業なども取り組み始め、再度注目されております。 モーダルシフトでの輸送量は、もちろん大きさにもよりますが、トラック輸送と比較した場合、鉄道でトラック約65台分、船舶なら約160台分にもなると言われ、少ない人員で一度に目的地へ運ぶことが魅力の一つです。 CO2排出量に関しましては、鉄道輸送が約6分の1、船舶輸送が約5分の1に抑えられると言われ、全区間トラックなどを使うことなく輸送はできませんが、途中の区間を鉄道や船舶に切り替えることで、大幅にCO2の排出量を削減できると考えられています。 もちろん問題もございます。搬出入する際の物流拠点を必要とされるハード対策、輸送システムのソフト対策など、課題は山積しておりますが、人材不足といった問題を抱えている輸送業者としても、効率的な業務を図ることができること、さらには一般道を走る輸送車が少なくなるため、渋滞県である熊本をはじめ、各都道府県の都市圏においても、渋滞緩和の抜本的な解決策につながるのではないかと思います。 今後、私は、2050年熊本県内CO2排出実質ゼロを目指すためには、抜本的な、また、斬新的な発想と構想が求められると思います。ぜひ、目標に向けて、人材不足対策、渋滞対策に寄与する輸送事業の効率化を図る鉄道、船舶輸送、モーダルシフト構想に対して検討していただきたく、要望をいたします。 これで全ての質問、要望を終えることができました。 今回、改めて質問の機会をいただいたことに感謝し、これからも責任と使命感を持って県政発展のために邁進してまいります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(渕上陽一君) 昼食のため、午後1時5分まで休憩いたします。  午後0時3分休憩    ――――――○――――――  午後1時4分開議 ○議長(池田和貴君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 増永慎一郎君。  〔増永慎一郎君登壇〕(拍手) ◆(増永慎一郎君) 皆さん、こんにちは。昼からの一般質問ということで、皆さん方、おなかいっぱいで聞かれているというふうに思います。上益城郡区選出・自由民主党の増永慎一郎でございます。 今回、トリということで、私の前に延べ15人の方が代表質問、一般質問をされました。今回一番嫌だったのが、私の質問が重ならないか、それを一生懸命気にしておりました。だから、いつもの議会よりも一生懸命に目を開いて、そして耳を澄ませて、あの自席から皆さん方の質問を聞かせていただきました。少し重なるところもありますけれども、それは回避をしながら質問していきたいというふうに思っております。 私、いつも前置きが長くて、非常に、ちょっとしゃべり過ぎぞと言われるんですけれども、今回前置きが非常に長かった人がいらっしゃったもんで、安心して、今前置きをしているところでございます。 最近は、自民党の県議団内では、私は何かレクリエーション係、段取り屋ということで名が通っているみたいな感じですけれども、今日は、仕事もできる増永ということで、きちんと質問をしたいというふうに思いますので、どうかよろしくお願いしたいというふうに思います。 それでは、1問目の質問に移りたいと思います。 空港周辺地域における新産業創出について質問いたします。 私は、昨年の2月定例会におきまして、空港周辺整備構想について知事に質問いたしました。それは、空港アクセス鉄道の整備計画に関連して、県が空港周辺に新産業拠点を整備する方向で検討しているという記事が新聞に掲載され、いよいよ熊本も新しいフェーズに移っていくと感じたからです。 その際、私は、熊本を世界から、人、物、技術、情報といった新たな知の集積を実現する場所にしたいと考えている、そして企業や研究機関、大学等のネットワークを生かし、人と人が有機的に結びつき、にぎわいとイノベーションが持続的に創出される、いわゆるシリコンバレーのような地域を目指していきたい、さらに大空港構想の実現に向けて、変革する空港周辺地域に、半導体や医療、食、健康、農業など、熊本の強みを生かした知的産業集積拠点の旗を掲げ、さらなる可能性にチャレンジしていくと知事から答弁をいただきました。 今時代は大きく変化していると感じています。デジタル革新が社会構造までを劇的に変化させているのです。それは、世界でも日本でも熊本でも同じことだと思います。 私は、日頃から、熊本の経済が発展し、県民が夢を抱いて住み続けられる熊本になるためには、ただ単に日本のほかの都道府県との競争ではなく、日本の中で常に最先端を走り、世界に注目されるような県にならなければならないと考えています。グローバル化された今日では、日本の中の熊本ではなくて、熊本がある日本と言われるくらいに、世界の人々に認めてもらうようにならなければならないと思っています。 さて、昨年10月の定例記者会見において、知事が、熊本空港の周辺地域を新産業創出の拠点とする構想、UXプロジェクトを始動すると発表されました。内容は、昨年の知事答弁を具体化していくための計画ということで、いよいよ実際に動き出すのだと感じた次第です。 知事は、日頃より、熊本地震からの創造的復興を地方創生にどうやってつなげていくかということをよく口にされています。また、一方では、九州中央自動車道や中九州横断道路の整備、空港コンセッション、空港アクセス鉄道など整備された後に、それを熊本の将来につなげていかなければならないとも言っておられます。 現在、2023年の開業に向け、阿蘇くまもと空港のターミナルビルの建設が進んでいます。また、同じ年には、東海大学農学部の臨空キャンパスも空港隣接地に移転することが発表されました。 最近は、新型コロナウイルス感染症の影響で、先が見通せない状況でありますが、アフターコロナを見据えて、一歩先んじて熊本の将来を考えていかなければならないと思っています。 そのためには、ぜひとも、空港周辺のポテンシャルを最大限に生かし、この新産業集積への取組、UXプロジェクトが、将来にわたって地域経済を力強く持続発展させていく取組となってほしいと考えています。 そこで、この空港周辺地域の新産業集積に向けたUXプロジェクトについて、知事のお考えをお尋ねします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 空港周辺地域の新産業創出に向けたUXプロジェクトについて、私の考えをお答えします。 私は、昨年10月の定例記者会見において、熊本空港の周辺地域を新産業創出の拠点とするUXプロジェクトをスタートさせると発表いたしました。 このUXプロジェクトでは、熊本の強みを生かしつつ、先端技術とポストコロナにおける価値観の変化をしっかりと踏まえ、地域資源を活用した新産業創出が繰り返される熊本を目指します。 医療、介護、健康、食、ビューティー、スマート農業など、いわゆるライフサイエンス産業を中心として、人、物、技術、情報が集まり、有機的に結びつく新たな知の集積を図ります。 現在、スタンフォード大学の池野文昭氏をはじめとする国内外の有識者による検討委員会において御意見をいただきながら、基本構想の策定を進めており、来年度早々には公表したいと考えています。 検討委員会では、例えば、このプロジェクトを通して実現する社会の未来像を明確にする必要があるのではないか、また、多くの実証の場があれば、企業などにとっても魅力的なものになるのではないかなどの御意見をいただいております。 構想の発表以来、参画を希望される企業や大学など、各方面から多くの関心が寄せられています。 今後のスケジュールとしては、来年度早々に公表する基本構想を踏まえ、具体的な施策やその推進に向けた基本計画及び実施計画を策定する予定です。 あわせて、知の集積の具現化への機運醸成を図るため、新産業創出に向けたキックオフイベント、人材育成プログラム、セミナーなどを先行的に実施してまいります。このような取組により、参画企業等の掘り起こしやネットワーク構築に取り組んでまいります。 本県は、熊本地震、新型コロナウイルス、令和2年7月豪雨災害のトリプルパンチに見舞われ、これまで経験したことのない困難な状況にあります。 私は、こうした中で動き出したUXプロジェクトを進めていくことで、必ずや成果を生み出し、50年、100年先の県経済の発展につなげてまいります。  〔増永慎一郎君登壇〕 ◆(増永慎一郎君) 知事より答弁をいただきました。 前にも言いましたけれども、知事は、前向きな答弁をされるときはちょっと上を見られる回数が非常に多くて、今の答弁は何回も上を見られたから、物すごく意気込みがあったのではないかなというふうに思っています。意気込みが伝わりました。 先行的にキックオフイベントや人材育成プログラムやセミナーを実施されるとのことです。なかなか県民への周知とか県民の理解というのは、こういうことを積み重ねないと理解してもらえないというふうに思います。何でかと申しますと、すぐ反対する人がいます。お金を使うとか言ってですね。ですから、そういう人たちにも納得してもらうように、こういったことをどんどんどんどん先に出していただいて、そして積極的にやっていただきたいなと思います。 今から50年後というなら、私はもう完全にいません。しかし、私たちの子供や孫は、この熊本に住み続けていくわけです。この熊本をよくするためには、やっぱり今のうちからきちんとした将来を見据えた投資というのが必要だというふうに思いますので、ぜひともこれは一生懸命に頑張っていただきたいというふうに、こちらからもよろしくお願いをしておきます。 それから、池野文昭さん、先ほどお名前が出ましたけれども、医療機器のベンチャーキャピタルの創始者ということで、シリコンバレー在住の方で、一番肌で分かっていらっしゃる方です。そういう人を連れてきたというのは、やっぱり知事の人脈の広さかなというふうに思っている次第でございます。こういった人たちが来て、熊本のことを一生懸命考えてくれることは、個人的にも非常にありがたいなというふうに感じた次第でございます。 続けて、次の質問に移りたいと思います。 蒲島知事は、平成20年4月に知事に就任されました。当時は、県財政が逼迫しており、自らの給料を100万円カットされるなど、行財政改革を喫緊の課題と捉えて、いろんな施策を実行してこられました。 当時の蒲島知事のマニフェストに沿ったくまもとの夢4カ年戦略には、本県の財政は、危機的な状況に直面しており、財政再建とくまもとの夢を実現するための財源を確保していくためには、歳入に応じた歳出構造への転換と簡素で効率的な行政システムの構築が必要であると記されていました。 財政再建のための施策の一つに、県有財産の売却がございました。既に売却が終わった物件もございますが、売却予定候補の一つであった水前寺2丁目宿舎、いわゆる知事村についてお伺いをしたいと思います。 実は、知事村に関しましては、皆さん方御存じかと思いますが、昨年の知事選のマニフェストにも取り上げられていました。 さて、たまに知事村の周辺を通ることがあります。何回か知事公邸にお邪魔したこともございます。熊本市内でも一等地であり、閑静な住宅街に、知事公邸と公舎、職員宿舎などが立ち並んでおり、いつも、こんな環境がよく、便利なところに住んでみたいなという気持ちになります。本当にいいところだと思います。しかし、一方では、建物の古さだけが目立ち、きちんと有効活用ができているのだろうかというふうにも考えたりもします。 過去にも、知事村については、売却か有効活用か、そんなことをいろいろな先生方が質問を重ねてきたところでございますけれども、知事におかれては、当分の間は宿舎として利用し、土地の取扱いについては慎重に検討をしていくと答弁をされたと認識をしています。 知事が就任されて以降、いろいろと検討がなされてきたものとは思いますが、現在の知事村を見てみますと、先ほど申しましたが、老朽化が進み、一部解体している宿舎や、言い方が悪いんですけれども、とても住めるような、住む気にならないような宿舎もございますし、入居している職員の方々も減少していると聞いております。冷房も暖房も効かないくらい風通しがいいと、皮肉めいた話もあるようです。 宿舎として利用していくとしながらも、職員の皆さん方からも敬遠され、入居者も少ないというのは、有効に活用されているとは言い難いのではないでしょうか。 現在、熊本地震からの復興、7月豪雨災害への対応や新型コロナウイルス感染症への対応など、三重苦の大変なときだとは思います。しかし、こういった県有財産の有効活用についても、しっかりと目を向けるべきだと考えます。 そこで質問ですが、現在の水前寺2丁目宿舎、いわゆる知事村の状況について、また、今後の有効活用についてどのようなお考えをお持ちなのか、知事にお尋ねいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) まず、水前寺2丁目宿舎の状況についてお答えします。 各宿舎は、築後約50年を経過し、老朽化が進んでいるものの、耐震性等は確保されています。一定の幹部職員や危機管理に対応する職員などに必要な宿舎として、27戸のうち12戸に入居しています。 現在、豪雨災害や新型コロナウイルス対応などにより県庁舎の会議室が不足しているため、5戸を各部局の打合せや作業のスペースとして活用しています。 また、知事公邸は、災害対応をはじめ、休日、時間外を含めた会議や打合せの場所として活用しています。さらに、県の外交を行う上でも大変有効な施設です。 これまで、公邸での意見交換や交流を通じて、多くの人的ネットワークを構築することができました。そうした方々が、熊本地震や7月豪雨災害の復旧、復興、また、本県への企業誘致を進める中で、熊本の応援団として大きな力になっていただいております。 次に、今後の有効活用についてお答えします。 水前寺2丁目宿舎は、県にとって非常に貴重な財産であり、最大限有効に活用しなければならないと考えています。 国においては、令和元年9月に、有用性が高く、希少な未利用国有地については、将来の地域社会のニーズに対応する観点から、所有権を留保し、有効活用を図るとされました。具体的には、定期借地権による貸付けを前提として対応するとされたところです。 水前寺2丁目宿舎の今後の方向性としては、例えば、必要な宿舎として整備、活用する、あるいは平時には県民の憩いの場、大規模災害時には避難場所として活用する、また、地域のニーズ等に応じた利便施設を設置することなども考えられます。 そのための手法としては、県の直接使用、民間への貸付け、売却も考えられます。さらに、これらの用途、手法の組合せも可能です。 今後、老朽化して住めない宿舎は解体し、知事公邸や利用可能な宿舎は、適時修繕などを行い、しっかりと管理、使用しながら、県や地域のために最も有効な活用ができるよう、幅広い視点で方向性を検討してまいります。  〔増永慎一郎君登壇〕 ◆(増永慎一郎君) 今議場のほうから下を向いた答弁というふうなお話がありましたけれども、やっぱりなかなか難しいと思います。せっかく今まで熊本県がきちんと管理をしながら持っていたのを――いろいろ売れとか言われる方もいらっしゃいます。しかしながら、大事に大事に使ってきたところを手放したりとかいうのはなかなかできないんじゃないかなというふうに思っております。だったら、ちゃんと使ってくださいよというふうな話でございます。 今国から来られる方とか、まあ誰とは言いませんけれども、アパートとかにやっぱり住まわれている方もいらっしゃいます。なかなか快適じゃないというのもあるかもしれませんけれども、まあ個人的な事情もあるかもしれませんよ。しかしながら、来られた方が、宿舎に住んで、熊本の本当一番いいところですので、熊本はよかったと言って帰っていただくと、さらにまだ何か熊本のためになるのではないかなというふうにも思いますし、ぜひとも有効活用をしていただきたいというふうに思います。 ちょっと余談ですけれども、調べてみました。路線価格があの辺で平米9万1,000円です。2万7,000平米ありまして、ざっと計算しても、まあ高い建物が建てられないとか、奥まったところは値段が違うということですけれども、単純に今の計算でいくと、23億から24億の土地の資産価値はあるようになっています。 これは私は不動産屋じゃないから分かりませんけれども、それは専門家が決めることですけれども、でも、それぐらいの資産価値があるところをやっぱり有効活用しないというのはいけないと思うので、早く売って何か違うのに変えなさいよという質問ではなくて、せっかくあるからお金を出してでもちゃんと使ってくださいというような質問でございますので、ちょっと前向きに、ちゃんと上を向いて答弁ができるように、よろしくお願いしたいというふうに思います。 次の質問に移りたいと思います。 県立高校の魅力化に向けた今後の方向性とそのための全庁的な連携について質問したいと思います。 山口先生と河津先生が、この件に関して触れていただいて質問されました。 県立高等学校再編整備等基本計画の再編整備計画が終了し、再編整備の窓口となっていた高校整備推進室が、平成31年度に高校活性化推進班となりました。そして、今年度から高校魅力化推進室と変わっています。また、今年度、今後の県立高校の在り方を検討するため、外部有識者から成る検討会を立ち上げられ、今月末の提言に向け、活発に協議が進められているとお聞きしています。 県立高校の魅力化は、今後の県立高校の在り方を考える上で非常に重要なものだと考えます。また、私は、日頃から、県立高校の充実は、子供たちの教育のみならず、その高校が所在する地域の発展にもつながっていくものだと考えています。 そこでまず、この高校魅力化推進室とはどのような趣旨で設置されたのか、また、どのような仕事をされているのか、お尋ねします。 さらに、提言に向け協議も大詰めを迎えているのではないかと思いますが、県立高等学校あり方検討会の中でどのような議論が行われ、それらを踏まえ、今後の県立高校の在り方や魅力化について、教育長はどのように考えておられるのか、併せてお尋ねいたします。 次に、魅力化を進める上での全庁的な連携についてお尋ねいたします。 昨年定員割れをした県立高校は、合計38校、106学科ありました。定員の充足率は、熊本市内の高校が97.3%に対して、その他の地域では69%と、圧倒的に熊本市以外の地域を中心に定員割れが進んでいる状況です。大変憂慮すべき数字だと感じています。 過疎地域では、中学を卒業する生徒数が減少しているという社会的要因があるとはいえ、熊本市以外の高校の充足率低下は深刻であり、喫緊の課題であると考えています。 さて、こういう状況の中、一部の高校では、学校だけで取り組むのではなく、地元自治体の支援等を得ながら様々な取組がなされ、魅力化、特色化を図っておられています。 私の地元の山都町には県立矢部高校がありますが、ほかの熊本市以外の高校と同様に、充足率という点では極めて厳しい状況にあります。 そのような中、令和2年度入学生から、高校と山都町が一体となり、全国から生徒を募集する取組が始まりました。この取組により、令和2年度入学生で見ると、大阪府や福島県、福岡県などから計5名の生徒が矢部高校に入学をしています。 また、山都町では、県外から入学した生徒が安心して矢部高校で学ぶための環境整備として、商店街の有志がNPO法人を立ち上げて、寮の整備をされておられます。また、それに対して、町も財政的支援を行っておられます。このほか、町では、全国募集をする高校が東京や大阪で実施する地域みらい留学フェスタへの参加などに対しても支援をされています。 ところで、なぜ県が設置している県立高校の魅力化に対して町がこれだけ熱心に取り組むのでしょうか。それは、各自治体において、県立高校がその地域の核となり、地域の発展に寄与してきた経緯があるからだと感じています。高校の存在が、単なる高校生の教育の機会の提供にとどまらず、地域の活性化や地方創生という点で不可欠になっているからだと言えます。 県立高校再編整備の際に、高校の存続において地元からいろんな声が上がったのは、まさしく地元の高校がなくなってしまうイコールその地域が疲弊してしまうというような考えの表れだというふうに私は思っています。このため、市町村でも、首長部局と教育委員会が一体となって、地元の県立高校を支援することに積極的に取り組んでいらっしゃるのです。 このように考えていけば、高校の魅力化は、もはや学校や県教育委員会だけの枠組みではなくて、地域総がかりで進めていくことが求められていると思っています。 そこで、そのような観点から、県が今後の県立高校の魅力化を進めるに当たっては、県教育委員会を主体としながらも、地方創生を所管する総務部や企画振興部、産業教育との深い関連がある商工労働部、農林水産部と緊密に連携するなど、財政的な支援も含めて全庁的な連携をより強固にして進めるべきだと考えますが、どのように考えていらっしゃるのでしょうか。先ほどの質問と併せて教育長にお尋ねします。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) まず、高校魅力化推進室の設置についてお答えをします。 平成30年度をもって県立高等学校再編整備等基本計画が終了しましたが、少子化等を背景に、多くの県立高校で定員割れが生じております。また、社会の急激な変化、生徒の多様化等に伴い、新たに対応すべき課題も生じております。 そこで、これらの課題に対応するため、今年度、高校魅力化推進室を設置し、各高校の特色を生かした魅力づくりや地域との連携推進などに向けて取り組んでいるところであります。 次に、今後の県立高校の在り方と魅力づくりについてお答えをします。 県立高等学校あり方検討会の提言素案では、これまでの再編整備の取組などによって教育環境は向上しているものの、熊本市以外の地域を中心に定員の充足率が大きく低下していること、また、中学校卒業者数は令和9年度まで下げ止まりの状況にあることが指摘されております。 これらのことを踏まえ、大きく次の3点について方向性が示されております。 1点目は、提言期間である令和6年度までは、県立高校の再編統合は行わないこと、2点目は、この間に県立高校の魅力化に徹底的に取り組むこと、3点目は、各高校において、地域と連携しながら魅力化を進めていくことであります。 今後、最終提言を踏まえ、県教育委員会としては、県立高校について、再編統合は行わず、魅力化に向けた学科改編等に集中的に取り組みながら、募集定員についても、必要な見直しを行っていきたいと考えております。 最後に、高校の魅力化を進める上での全庁的な連携についてお答えをします。 議員御指摘のとおり、提言素案においても、県立高校は、学習機会や学力保障という役割のみならず、地方創生の核としても機能を有するとされております。 そのため、今後、地方創生に資する教育活動の取組は、全庁的な連携の上で実現を図っていくことが重要であります。 そこで、例えば、今年度は、農林水産部と連携して、農林水産省の事業を活用し、農業高校2校に自動操舵システムの最新鋭のトラクター等を導入しました。また、来年度に向けては、商工労働部と連携して、デジタルトランスフォーメーション等の次世代の地域産業人育成を目指す国のマイスター・ハイスクール事業に申請を行っているところであります。 今後、提言素案で示された県立高校の魅力化に向けた14の取組をより実効性のあるものにしていくために、知事部局とこれまで以上に緊密に連携を図り、全庁一丸となって取組を進めてまいります。  〔増永慎一郎君登壇〕 ◆(増永慎一郎君) 高校魅力化推進室という言葉だけで、魅力化を推進していくということで分かっていたんですけれども、一応確認の意味で聞いた次第でございます。 検討委員会の提言で、再編統合は行わないこと、それから魅力化に徹底的に取り組むこと、それから地域と連携をしながら進めていくということの提言を受けているという話でございまして、教育長から、再編統合は行わず、魅力化に向けて学科改編や募集定員の見直しをしていくというふうな話がございました。 ここで、令和9年度まで下げ止まるという話で、ひょっとしたら、その後子供たちが減ってきたら、また再編統合があるんじゃないかというふうな形になるのではないかなというふうに思っている次第でございます。そういうふうにならないようにやっぱりしていかなければいけないなというふうに思うんですけれども、仕方ない部分もあるかもしれませんけれども、だから時間的に余裕がないというふうな形で、やっぱりどんどんどんどん魅力化を進めていかなければいけないと思います。 その前段として、この前山口先生も言われましたけれども、定員の話、これが先じゃないかなというふうに思っております。 昨日まで県立高校の後期試験がありました。学校を見てみますと、高森高校は、後期を受けた方がゼロなんですよ。だから、そういうふうな状態であるのもおかしいと思いますし、先ほどお話をしました私の地元の山都町、80人ちょっとぐらいしか卒業生がいません。定員が矢部高校で120人です。半分ぐらいしかいっていません。だから、40人ぐらいのあれになりますけれども、充足率で言えば3割ちょっとという形になります。 それを親とか子供たちが見てどう思うか。そんな名前だけ――極端に言えば、言い方は悪いですけれども、勉強しなくて必ず通る高校に行っても、何か自分の居場所というか、実力を発揮できるのかと、そういう学校に行くのかというような思いになるのではないかなとやっぱり思います。 そのためには、やっぱりちゃんと小学校、中学校で勉強して、そして経験を積んでいくんだという気持ちになるためには、まずはやっぱり入るときに少し競争があるぐらいの気持ちがいいんじゃないかなというふうに思う次第でございますので、定員に関しましては、なるべく魅力化に合わせる形で見直しをしていただきたいなというふうに思っております。 また、全庁的な連携――今トラクターの話とマイスター・ハイスクール事業の話がございました。農林水産部と商工労働部――例えば、新しくトラクターが高校に入りましたと。子供たちがトラクター目当てに行くと思いますか。私は、そういう感覚はちょっと違うんじゃないかなとやっぱり思うんですよ。やっぱり地元の人たちが、地元の高校においでよと、この高校に来ると何ができますよというのをアピールできなければ、私は違うのじゃないかなというふうに思います。 例えば、先ほど御紹介しました、よそから来ても、寮におって、この田舎で暮らしができるんだよと、楽しい3年間の暮らしができるんだよと、そこで勉強もできるんだよというような形、こういうところにやっぱりお金をきちんと使わなければいけないなというふうに思います。 ですから、例えば地域づくりチャレンジ推進事業、これは企画振興部の予算なんですけれども、こういった部分をやっぱり高校の魅力化あたりにもどんどんどんどん使っていけばいいんじゃないかなと、そうしたらその地域地域に応じた高校の魅力化ができるんじゃないかなというふうに考えている次第でございます。 一生懸命に、古閑教育長、義務教育から高校教育から考えながら大変だとは思いますけれども、やっぱり先ほど言いましたように、過疎地域の出身の私としましては、地元で高校の影が薄くなってくるのは本当に寂しい思いもしますし、そういうのがないようにしていかなければいけないというふうに思っておりますので、精いっぱい注力していただきたいというふうに思う次第でございます。 次の質問に移りたいと思います。 新しい生活様式に合わせた市街化調整区域の開発制度の在り方について質問をいたします。 市街化調整区域とは、都市計画法に基づき、区域区分、いわゆる線引きを導入している都市計画区域において、市街化を抑制すべき区域として指定されている区域のことです。新たに建築物を建てたり、増築することを極力抑える地域となります。熊本市を含め、近郊の合志市、菊陽町、嘉島町、益城町にこの線引きされた区域が存在します。簡単に言えば、急激な都市化をさせずに、昔ながらの田園風景を残していくと線を引いて決めた地域になります。 市街化調整区域は、都市の健全な発展と秩序ある整備を図っていくために必要なものであると一定の理解はしています。しかし、一方では、土地利用に係る制約によって、市街化調整区域の活力低下、地域によっては発展の格差が生まれ、地域の均衡ある発展を阻害する懸念があると思っています。 県におかれましては、こういった懸念に対して、様々な意見を取り入れながらも、これまでも集落内開発制度や地区計画の導入など、社会情勢の変化に柔軟に応じてきた経緯もございます。 さて、私は、平成30年6月定例会において、新たな企業誘致の形として、IT関連企業のサテライトオフィスの誘致について質問をさせていただきました。県内各地にその動きは確実に広がりつつあるのではないかと感じている次第です。 現在、コロナ禍を契機とした新しい生活様式の浸透を図るため、国は、地方でのサテライトオフィス開設やテレワークを支援する交付金を創設するなど、私が以前質問したときよりもさらに力強く地方創生を後押ししています。まさに、場所にとらわれない働き方のニーズを取り込む新しい流れをつくるまたとない好機が来ていると言っても過言ではないと思います。 先ほど申しましたが、上益城平たん部では、市街化調整区域とそれ以外の区域が混在しています。現状では、例えば、新しい開発ではなく、空き家があっても、その用途に規制があり、こういったサテライトオフィスやテレワーク事務所が開設できない状況もあると伺っています。私は、規制の差によって、この絶好の好機を逃すようなことがあってはならないと考えています。 そこで質問ですが、市街化調整区域が果たす役割を踏まえつつ、例えば、空き家を活用したサテライトオフィスやテレワーク事務所の開設を可能にするなど、地方創生にも配慮した制度の弾力的な運用ができないのか、土木部長にお伺いいたします。  〔土木部長上野晋也君登壇〕 ◎土木部長(上野晋也君) 市街化調整区域の開発制度の弾力的な運用についてお答えをいたします。 市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域として位置づけられており、例えば、農業用施設や居住者の方々の日用品を販売する店舗の建築など、一定の開発行為以外は認められていません。 このような土地利用に係る制約により、やむを得ず空き家になることは十分に考えられ、地域住民の生活環境に大きな影響を及ぼすことも懸念されます。 このため、市街化調整区域においても、一定の空き家をサテライトオフィスなど地域資源と活用することは、コミュニティーや住民の生活水準の維持に有効であると考えております。 関係する市町のまちづくりや空き家対策との整合を図りながら、まずは、県開発審査会において、市街化調整区域における空き家に対する規制の在り方について御議論をいただき、その結果を踏まえて、既存建築物の用途変更の弾力的な運用を早急に検討してまいります。  〔増永慎一郎君登壇〕 ◆(増永慎一郎君) 上野部長の答弁は、本当、気合が入っていて、何でもできるんじゃないかと錯覚するような感じでございますけれども、本当いい機会が来ていますので、ぜひ早急に――ちょっとお顔見えませんけれども、よろしく協議をお願いしたいと思います。 そもそもの話をしますと、この地方創生の今の時代にあって、人口減少の中で、その線引きした区間が要るのかということをよく思います。もう人が減ってきます。そんな開発をいっぱいしてくるということは、多分今から先あんまりないんじゃないかなというふうに思いますので、これは県のほうに言う話じゃないですけれども、そういう話もあるということを国あたりにもやっぱり伝えていただきたいなというふうに思う次第でございますので、よろしくお願いします。 時間がありませんので、次の質問に移らせていただきます。 令和2年7月豪雨災害に関しましては、多くの方が犠牲となり、甚大な被害が出ました。改めて、お亡くなりになられた方に謹んで哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。また、一日も早い復興を願っているところです。 現在、球磨川流域では、国、県、市町村が一体となり、新たな治水の方向性を踏まえた緑の流域治水を掲げて治水対策に取り組んでおられます。私は、この新たな治水の考え方は、浸水リスクのある県内のほかの河川にも当てはまるものだと考えています。 そこで、今回は、私の地元にある加勢川水系の支川についてお尋ねしたいと思います。 加勢川の支川である木山川、秋津川、矢形川は、平成28年の熊本地震により、河川堤防等に多大な被害を受けました。その災害復旧工事も、今年度末にようやく完了すると聞いているところです。 以前、大平先生も質問されましたが、木山川等では、令和元年7月、令和2年7月と2年続けて河川の氾濫が発生し、被害に見舞われています。 また、加勢川支川の矢形川が流れている嘉島町や御船町では、河川の改修が行われておらず、浸水のリスクがある中、新しい住宅の集積や大規模店舗の出店等が進んでいる状況です。 加勢川支川の湛水被害の歴史は古く、加藤清正時代まで遡ります。今回質問するに当たり、加勢川支川の治水対策について、いろいろと調べてみました。 治水対策は、実質的には50年ぐらい前に動き出しています。加勢川は、市街地を通ること、そして合流地点の六間堰がネックとなり、加えて支川である木山川、矢形川の線形が非常に複雑であったことなどから、改修が困難という状況でした。 そこで、県営の土地改良事業と組み合わせて河川の線形を変えたり、矢形川上流には農地防災ダムである天君ダムなどを建設したりして、治水対策を実施してきました。言わば農地を守るための土地改良事業頼みの治水対策だったと言っても過言ではないと思います。 しかし、その当時の治水対策から50年が経過しました。河川場所の変更や九州縦貫自動車道ができたことによる支川状況の変化、流域への大型商業施設の設置や住宅の集積など、流域の状況は、当時より大きく変化しました。いわゆる農地を守るための治水から住民の生命、財産を守るための治水へと、在り方自体が全く変わってしまったのです。 そういう中、流域住民は、昨年7月の球磨川の大規模な氾濫を目の当たりにして、水害に対する不安を感じており、治水対策の必要性を感じている次第です。 そこでまず、矢形川を含む加勢川流域での治水対策の方針について、土木部長にお尋ねします。 加えて、矢形川において、天君ダムはもともと農地を守るためのダムですが、河川管理者として、流域の治水対策に対してどのような役割があると認識されていらっしゃるのか、お尋ねいたします。 続けて、農林水産部長にお尋ねします。 天君ダムは、設置後50年を経過しています。本来の農地を守るための防災ダムとしての役割から、前述したとおり、農地だけではなく、住民の生命、財産を守るためのダムとしての役割が大きくなっています。 また、ダムの操作とかは、現在の状況の変化を考えずに、以前からのダム放流操作をされていると伺っています。放流時のサイレン操作なども以前のままで、放流量を増やすたびに何度もサイレンが鳴り、下流側で河川水位が上昇したときにも鳴ったりするので、目的を理解されていない住民の方の不安を逆にあおっているような感じも受けています。 天君ダムにおいては、農地用の防災治水ダムとしてだけではなく、土木部と連携して、矢形川の治水対策のダムとして、その役割を果たすように考えていかなければならないと思いますが、どのように考えておられるのか、農林水産部長にお尋ねいたします。  〔土木部長上野晋也君登壇〕 ◎土木部長(上野晋也君) まず、加勢川支川の治水対策についてお答えをいたします。 緑川水系加勢川の国管理区間につきましては、平成25年に策定された河川整備計画に基づき、河川流下能力の向上を図る河道掘削等の整備が進められております。 一方、加勢川上流部となる県管理の木山川、秋津川、矢形川などの支川においては、これまでの災害を契機とした改良復旧などを実施してまいりました。 しかし、益城町を流れる木山川や岩戸川では、近年の豪雨による度重なる浸水被害や、矢形川沿いの嘉島町や御船町では、商業施設の建設や宅地化といった土地利用の変化による水害リスクの増加などの課題が生じております。 現在、これらに対応するために、堤防整備や洪水貯留といった河川対策の検討を行うとともに、流域治水の考えを踏まえた集水域や氾濫域での取組を関係機関と協働して進めています。 県としましては、引き続き、国や流域の市町など関係者と連携し、加勢川支川の流域全体での流域治水の推進にしっかりと取り組んでまいります。 次に、天君ダムの役割についてお答えをいたします。 天君ダムは、農地などの湛水被害を軽減する目的で建設されている農業用防災ダムであることから、これまで、緑川水系の治水対策には、その機能を見込んでいませんでした。 しかし、昨年度国が示した既存ダムの洪水調節機能の強化に向けた基本方針を踏まえ、県内部はもちろんのこと、国や御船町と協議を行い、天君ダムに治水機能を位置づけた緑川水系治水協定を昨年5月に締結したところでございます。 今後、関係機関と連携し、天君ダムの治水効果を確認するとともに、矢形川を含む加勢川支川の治水対策を検討してまいります。  〔農林水産部長竹内信義君登壇〕 ◎農林水産部長(竹内信義君) 矢形川上流の御船町上野にある天君ダムは、下流域の御船町、嘉島町、益城町、熊本市の農地や集落など1,340ヘクタールの洪水被害を防止することを目的に、昭和45年に建設した有効貯水量134万トンの農業用防災ダムです。ダムへ流れ込む水の約6割をカットし、下流へ流れる水の量を減少させております。 まず、その役割についてですが、建設後、下流域では、高速道路の開通やそれに合わせた道路整備も進み、土地利用が変化し、都市化も進んできました。このような変化に伴い、天君ダムの役割は、農地にとどまらず、道路など集落全体の防災にも力を発揮することが求められています。 先ほどの土木部長答弁のとおり、昨年5月に、ダム管理者の御船町や河川管理者と治水協定を締結いたしました。これにより、天君ダムが、流域治水において洪水調節の役割を有することが明確化されたと認識しております。 次に、ダムの放流操作についてです。 天君ダムでは、ダムの水位の上昇に応じて、放流バルブの開閉により、流量の調節をきめ細かく行っております。これは、建設当時未改修だった矢形川の水位がダムの放流の影響を受けやすいため、少しずつダムの水を流し、急激な上昇を回避するためのものです。また、ダム操作規程により、ダムの放流操作を行う場合には、下流域の方々にサイレンを鳴らして周知することが定められております。 しかしながら、竣工から50年以上が経過し、流域の都市化が進んでいることなども踏まえ、地域の方々の理解が得られるような放流操作の方法とその周知の在り方につきまして、河川管理者とも協議しながら検討してまいります。 今後とも、庁内での連携はもちろん、御船町や国と連携し、流域治水の一環として、天君ダムの洪水調節機能が適切に発揮されるよう取り組んでまいります。  〔増永慎一郎君登壇〕 ◆(増永慎一郎君) 以前から、加勢川水系の支川については、加勢川の改修が終わらないとなかなかできないという話でしたので、今回こういう質問をさせていただきました。 御船町の恐竜の化石が出るちょっと下付近に天君ダムというのがあります。私は、普通の洪水調節用のダムだと思っていたんですけれども、実は農地を守るためだけに造られた農業用治水ダムでした。ですから、河川管理者が管理しているんではなくて、いわゆる管理は御船町がやっていて、負担金で造ったダムだったんですよね。 でも、今は、その当時の農地というか、川の状態も変わっておりまして、農地を守るダムじゃなくて、やっぱり集落とか、そういったのを守るダムとして機能しなければいけないんじゃないかなと感じて、今回の質問を入れさせていただきました。 一緒に、河川管理者である土木部と管轄する農林水産部で連携しながら、これからやっていかれるということですけれども、将来的には、河川の整備計画ができて本当にするときには、やっぱり河川管理者の管理になるのが一番いいのではないかなと、個人的には思っている次第でございます。 ぜひ、そういうような形で、農業用の防災ダムという認識は住民の方々は全くありませんので、それを思って今から取り組んでいただきたいなというふうに思っております。 最後の質問になります。 熊本都市圏南部の渋滞対策について質問をさせていただきます。 熊本市の渋滞は、3大都市圏を除いて、政令指定都市でワーストだと言われています。市内だけではなく、その近郊地域においても影響が大きく、熊本都市圏において、その解消をどうしていくかが重要な課題となっています。 私の選挙区である上益城郡平たん部、特に熊本都市圏南部においても、慢性的な激しい渋滞が発生しています。宅地化の拡大やイオンモール熊本をはじめとする大型店舗などの影響に加えて、地理的要因として、東西方向に流れる緑川や先ほど質問しました加勢川水系の支川等が交通の障害となり、交通が一部の道路に集中してしまうということが原因だと考えることができます。 特に、皆様方も御存じのように、嘉島町から緑川をまたいで熊本市城南町へ向かう蓍町橋付近は、朝から夕方まで一日中渋滞しているような状態です。 行政が中心となり、公共交通機関を利用するパーク・アンド・ライドとか朝夕の車線の規制、ノーマイカーデーとか、そういった渋滞解消策をいろいろ試されていますけれども、ソフト面の対策だけでは根本的な渋滞解消には至っていないのが現状です。 日頃より、私は、熊本都市圏南部地域においては、地域経済の発展、地域振興の観点からも、道路ネットワークの整備強化が特に不可欠な地域だと認識しています。あわせて、防災面においても、平成28年熊本地震において、緑川に架かる橋梁や周辺道路が通行不能となったことから、災害に強い道路ネットワークの構築も必要だと感じています。 熊本都市圏南部の渋滞対策は、熊本都市圏総合交通戦略の実施施策として位置づけられていると伺っております。また、以前から、都市圏南部の自治体も、いろんな道路整備期成会を通じて、県道小川嘉島線や県道六嘉秋津新町線の整備を強く要望されています。しかし、これまで具体的な対策が示されていないのが現状です。 現在、嘉島町や御船町には、大規模な宅地開発が実施され、これから新しい住宅が建設されていきます。一方では、九州では3店舗目となるコストコホールセールジャパンも、県内外の顧客を見据えて、4月1日に出店をいたします。ソフト対策だけではなく、きちんとハードを充実させていかなければなりません。そのためには、きちんとした道路ネットワークが不可欠であると考えています。 そこで、熊本都市圏南部地域の渋滞対策に資する道路ネットワークの整備について、県としてどのように考えておられるのか、土木部長にお尋ねします。  〔土木部長上野晋也君登壇〕 ◎土木部長(上野晋也君) 熊本都市圏南部の渋滞対策につきましては、熊本都市圏総合交通戦略に基づき、県と熊本市が連携し、道路ネットワークの拡充などの検討を進めております。 この地域は、今後さらに企業立地や土地区画整理事業などが見込まれており、加えて至るところで道路が通行不能となった熊本地震の教訓から、道路ネットワークの強化や強靱化が必要であると考えております。 このため、都市圏南部の交通の円滑化、強靱化を図るために、県道小川嘉島線や六嘉秋津新町線などの改良やバイパス整備が必要であると認識をいたしております。 今後も引き続き、熊本市と連携を図り、道路計画の具体化に向けた検討を加速し、地域活性化につながるよう、道路ネットワークの整備に取り組んでまいります。  〔増永慎一郎君登壇〕 ◆(増永慎一郎君) 声だけではなくて、非常に前向きな答弁で、ありがたいなと思っております。 というのが、今までいろんな話をしても、検討してまいるとかという話だったんですけれども、今バイパス整備という言葉が出てきました。私の頭の中で、ああ、あそこがバイパスになるのかなと、あそこに橋がひょっとしたらできやしないかなとかいうのが今頭の中で想像ができましたので、非常に前向きで、本当最後の答弁ですけれども、ありがたいなというふうに思った次第でございます。 本来で言えば、熊本市は、もともと県に要望する側でございました。しかし、政令指定都市になりまして、要望される側になった途端に、ああというような感じなんですよね。ですから、やっぱり県がリーダーシップを取っていかれて、蒲島知事も、お互いによくなるために政令指定都市になるのを応援されたわけでございますので、私たちもそういうふうな気持ちでやりましたので、やっぱりここは県がリーダーシップを取って、きちんと熊本市さんとも話をされて、一日も早く都市圏南部の交通渋滞がなくなるように、ぜひよろしくお願いしたいというふうに思っております。 最後になりますけれども、先ほど前川議員のほうから、最後の答弁ということで、上野部長も今議会で勇退をされますし、渡辺部長も今年で勇退でございます。吉永議会事務局長も今年ですよね。ということで、毎回、何か今まで仲よく一緒に仕事をしてきた先輩たちがいなくなっていかれるのは非常に寂しい思いはしますけれども、ぜひ新しいところで――新しいところに行かれるかどうか分かりませんけれども、新しい人生をまた送っていただいて、県に対しては、大所高所からいろんなことを言っていただいて、御指導賜ればというふうに思っている次第でございます。 トリを務めさせていただきました。非常に見苦しい点もあったかと思いますけれども、自分なりに質問できたのかなというふうに思っている次第でございます。しがない質問、最後までお聞きいただきましてありがとうございました。これで質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(池田和貴君) 以上で通告されました一般質問は全部終了いたしました。 これをもって一般質問を終結いたします。    ――――――○―――――― △日程第2 議案等に対する質疑(第44号から第96号まで及び第99号) ○議長(池田和貴君) 次に、日程第2、目下議題となっております議案第44号から第96号まで及び第99号等に対する質疑を行いますが、ただいままで通告はありません。よって、質疑なしと認めます。    ――――――○―――――― △日程第3 知事提出議案委員会付託(第44号から第96号まで及び第99号) ○議長(池田和貴君) 次に、日程第3、目下議題となっております議案第44号から第96号まで及び第99号につきましては、さきに配付の令和3年2月熊本県議会定例会議案各委員会別一覧表(令和3年度当初関係)のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託して審査することといたします。  〔各委員会別一覧表は付録に掲載〕    ――――――○―――――― △日程第4 教育警察常任委員長報告 ○議長(池田和貴君) 次に、日程第4、去る9日の会議において審査を付託いたしました議案第101号について、教育警察常任委員長から審査結果の報告があっておりますので、これを議題といたします。 ただいまから、教育警察常任委員会における審査の経過並びに結果について、教育警察常任委員長の報告を求めます。 橋口海平君。  〔橋口海平君登壇〕 ◆(橋口海平君) 教育警察常任委員会に付託されました案件につきまして、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、条例等関係1議案で、訴えの提起についてであります。 執行部から議案について説明を受け、審査を行った結果、本委員会に付託されました議案につきましては、全員賛成をもって原案のとおり可決することに決定いたしました。 議員各位におかれましては、本委員会の決定のとおりよろしく御賛同賜りますようお願い申し上げまして、教育警察常任委員長の報告を終わります。 ○議長(池田和貴君) 以上で教育警察常任委員長の報告は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○議長(池田和貴君) 質疑なしと認めます。 次に、討論に入ります。 討論の通告があっておりますので、発言を許します。 なお、発言時間は10分以内でありますので、さよう御承知願います。 山本伸裕君。  〔山本伸裕君登壇〕 ◆(山本伸裕君) 日本共産党の山本伸裕です。 議案101号は、損害賠償を求めて、熊本県を相手取り起こされた裁判の判決を不服として、熊本県側として控訴するという対応について、議会の議決を求めるものであります。 委員会の採決は可決ということでありますが、これに反対いたします。 各新聞、テレビ等でも既に報道されておりますとおり、本件の原告男性は、熊本地震の避難所で、当時小学6年生の女の子に対し、わいせつな動画を見せたとして、県少年保護育成条例違反の容疑で逮捕され、取調べのため12日間拘束されました。 しかし、男性のスマホからは、わいせつな動画の閲覧履歴がなく、家庭裁判所では非行事実なしと結論づけられました。 また、この男性が、女の子の母親を相手取り、うその被害を親告したとして起こした裁判では、母親の供述は、信用性が乏しく、一部は虚偽で、違法であるとの判決が確定しています。 本件の裁判は、原告男性が、違法な取調べを受けたことによって苦痛を受けたとして、熊本県を相手取って損害賠償を求めていたもので、熊本地裁判決は、原告男性の主張を一部認め、県に16万5,000円の支払いを命じました。 今回の訴訟における熊本地裁の判決主文を読みました。取調べに当たった巡査部長は、男性に対し、容疑を裏づける証拠は本件児童及び児童の母親の供述しかない状況であるということを知りながら、原告に対し、黙秘権を改めて告知することなく、調べるうちにどんどん不利になるものばかり出てきている、本当のことを言ったら周りの評判が下がると思っているんじゃないのか、黙っててそれでいいとや、下ばっかり向いてずっと黙っとくんや、都合が悪くなると黙ってばっかり、黙ってても何にも前に進まんぞ、どんどん自分に不利になっている、自分で自分の首絞めているのと一緒、原告の言葉一つ一つが信用をなくしている、目撃者もおって、保健師、看護師も話を聞いているなどと発言したということが認定されています。 判決では、こうした捜査官の発言により、当時未成年であった原告は、精神的に圧迫ないし困惑させられたとして、取調べとして相当性を欠き、原告の黙秘権を実質的に侵害した違法なものであったと結論づけました。 また、弁護士と接見した内容を尋ねた巡査部長の発言は、捜査機関としての注意義務違反、原告の接見交通権を侵害した違法なものであったとしています。 判決に対する熊本県の控訴の理由は、判決内容に一部承服しがたいところがあるというものであります。しかし、取調べにおいて、先ほど述べたような発言を行ったということが事実である以上、そして何よりも、裁判所において既に男性に非行事実なしという、すなわち無罪に当たる結論が出ている以上、熊本県警として行うべきことは、控訴することではなくて、原告に対し謝罪すること、それが社会的な、一般的な市民感覚ではないでしょうか。 なお、法廷においても、捜査官は、現在でも原告のことを疑わしいと思っていると発言したとのことでありますが、こうした発言が原告にさらなる精神的苦痛を与えているであろうことは想像に難くありません。 この事件は、既に新聞、テレビ各社が大きく報道し、県民、国民が知るところとなっています。私は、捜査に違法性があったのかどうかということを控訴してまで争うことよりも、警察として、原告に謝罪し、控訴しないという対応を取ることのほうが、よほど県警の信頼を取り戻す道ではないかと考えるものであります。 また、控訴することになれば、原告男性に対し、今以上の精神的苦痛を与えることにつながりかねません。もはやそうしたことは、決して許されることではないと考えます。 こうした理由により、議案101号には反対であることを表明し、討論を終わります。 ○議長(池田和貴君) 以上で通告による討論は終了いたしました。 これをもって討論を終結いたします。 これより、議案第101号を起立または挙手により採決いたします。 ただいまの教育警察常任委員長の報告は、原案可決であります。教育警察常任委員長の報告のとおり原案を可決することに賛成の諸君の起立または挙手を求めます。  〔賛成者起立または挙手〕 ○議長(池田和貴君) 起立または挙手多数と認めます。よって、議案第101号は、原案のとおり可決いたしました。    ――――――○―――――― 知事提出議案第102号から第127号まで ○議長(池田和貴君) 次に、お諮りいたします。 知事提出議案第102号から第127号までが提出されましたので、この際、これを日程に追加し、一括して議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、知事提出議案第102号から第127号までを日程に追加し、一括して議題とすることに決定いたしました。 知事提出議案第102号から第127号までを一括して議題といたします。  ―――――――――――――――――― 第102号 収用委員会予備委員の任命について 第103号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第104号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第105号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第106号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第107号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第108号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第109号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第110号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第111号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第112号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第113号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第114号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第115号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第116号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第117号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第118号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第119号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第120号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第121号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第122号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第123号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第124号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第125号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第126号 海区漁業調整委員会委員の任命について 第127号 海区漁業調整委員会委員の任命について  ―――――――――――――――――― ○議長(池田和貴君) お諮りいたします。 ただいま議題といたしました議案第102号から第127号までに対する提出者の説明は省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。    ――――――○―――――― △日程第5 休会の件 ○議長(池田和貴君) 次に、日程第5、休会の件を議題といたします。 お諮りいたします。 明12日は、各特別委員会開会のため、15日から17日までは、各常任委員会開会のため、18日は、議事整理のため、それぞれ休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(池田和貴君) 御異議なしと認めます。よって、明12日及び15日から18日までは休会することに決定いたしました。 なお、13日及び14日は、県の休日のため、休会であります。    ――――――○―――――― ○議長(池田和貴君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 次の会議は、来る19日午前10時から開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第9号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午後2時14分散会...